新聞の短歌・俳句欄に投稿して入選したものの中から、
十作づつ抜き出して、作順ではなく季節順に並べました(筆者)。

新世紀と言へど変わらぬ今朝の春
              
(2001年元旦)

寒椿一花咲きて一花落つ


御手洗
[みたらし] *1の水呑む猫や春寒し


継ぎ獅子の上で舞ふ児や若葉風


雨一日
[ひとひ]新緑滴り落つるかな


蝉時雨浴びて鎮まる大師堂


踊子に茶髪も混る風の盆
*2


秋天を三角に切るピラミッド


天平の佛の慈眼冬ぬくし


鳥籠のこぼれ餌拾う寒雀


注記
*1 御手洗:神社の手・口を清める所
*2 風の盆:富山市八尾[やつお]の盆踊り(当時茶髪は珍しかった)