左右2枚がそろったものを印刷物かネットで見たらよくわかるのですが、左隻の右端に山があると言うことは、左右両隻をあわせると、山は画面の中央部分にあることがわかります。
それをふまえた上で山の左下側を見ると松林が前景、中景、遠景と階段状に連なり、さらにその後ろに白い山が微かに見えます。この山を頂点にして、その左下の部分は見事に三次元的空間が表現されているのです。
等伯が意図的にこの部分だけを三次元的空間にしたのか否かはわかりませんが、美術史家
戸田禎佑氏は、日本の水墨画で3次元空間のイリュージョンの表出に最も成功した一例に「松林図」を挙げております。
オキテルさんは縄文土器が大変お気に入りのようですね。ご存じかと思いますが縄文も弥生も土器を作ったのは女性だったと言われています。これは日本だけでなく世界的にもその実例が認められます。
10数年前に佐賀県の伊万里と吉野ヶ里遺跡で、世界焼物博が開催されたときに、土器作りの実演がありましたが、土器を作っていたのはタイ国から来た女性でした。
三の丸尚蔵館は残念でしたね。小生も展示室の狭さに失望しました。出光美術館には出張の度によく行っていました。
目当ては、仁清の「芥子文壺(重文)」でした。この壺は仁清の最高作ですが、関東大震災のときにマントルピース上から落ちて5個に割れたのを修復した、いわゆるキズ物ですが、もし完品なら当然国宝に指定されるものです。
なお、重文の古唐津の壺は、今治の私の知人の家からでたものです。
京都の庭園が撮影やスケッチを禁じているのは、図録や絵はがきの売り上げに影響するからでしょう。桂離宮が入園を制限しているのは、管理上の理由からです。近年ハイヒールなど踵の細い靴をはく人が増えて、飛び石や敷石が疵つくのだそうです。
さて、オキテルさんは、奈良にも行かれるとのことですが、新幹線で行かれるのでしたら、京都駅からは近鉄線で行かれるほうが便利です。
以前小生が奈良は一日あれば十分と書きましたが、それは今治から夜行フェリーで往復していたときのことで、千葉からでは一日でも十分とはいきません。
一日で巡るには早朝から夕方までかかります。全く「最近は忘れるだけで覚えない」です。
そこで一日分を選びましたのでその中から取捨選択して下さい。
奈良は仏像といいますが、仏像といへばお寺です。お寺といへば東大寺です。もう既に行かれたかと思いますが、もう一度おさらいをしてみませんか。
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