2作品とも客殿の襖絵で永徳24歳のときの作で、若き天才画家の真面目を伝える貴重な作品です。
当院には永徳の父松栄の作(国宝)もあります。
なお国宝3点のうちもう1点代表作の「桧図」は東博に、御物「唐獅子図」は宮内庁にあります(若しかしたら宮内庁三の丸尚蔵院にあるかも。)
書き洩らしていましたが、狩野派の大半が真筆である確証はないと書きましたが、確証のない作品はすべてニセ物ということではなく、確証がなくても真筆もあるだろうし、優れた作品も多数あります。例えば、南禅寺の(伝)永徳は真筆とみる論者も居ます。
では次は、聚光院のすぐ奥の大仙院(大徳寺塔頭)を見てみましょう。当院は絵画ではなく、枯山水の最高傑作と云われる名園で有名です。大徳寺は本坊を始め各塔頭とも名園揃いですが、当院の庭にはストーリーがあります。
東庭は僅か奥行き3メートルの空間に、深山幽谷を表す絶妙な石組みから滝が流れ落ち、川となって大海に見立てた白砂だけの広い南庭に連なるという具象的な庭で、抽象的な竜安寺の石庭と対極をなす名庭です。
当庭は竜安寺の庭のように喧騒ではないので、私は時間があれば度たび当庭に来て、しばしの静寂を楽しみました。
次は智積院(東山区東瓦町)に行ってみませんか、当院は強大な狩野派に対抗した長谷川派の牙城で、長谷川等伯の「楓図」(国宝)息子久蔵の「桜図」(国宝)のほか4点桃山文化を象徴する絢爛豪華な金碧障壁画があります。
智積院ホームペ−ジより(部分)
http://www.chisan.or.jp/sohonzan/keidai/img/syuzoko_h1.html
智積院ホームペ−ジより(部分)
http://www.chisan.or.jp/sohonzan/keidai/img/syuzoko_h3.html
以上、聚光院、大仙院、智積院の三院に的を絞りました。
ただし、これはあくまで参考資料であって、これに拘ることはありません。オキテルさんはご自身のご意志で好きな場所を選んで下さい。
京都は、春は桜の、秋は紅葉の名所も各所にあるので、この時期に行かれたらいかがですか。この時期は京博、国立近代美術館、市立美術館も、良質の企画展を開催しています。
話は変わりますが、ポーラ美術館にはオープンの2年後の2004年に行きました。実は私の所属団体の研修旅行で箱根関所など芦ノ湖周辺の史跡を巡ることにして、周辺地域を調査していましたらポーラ美術館に国内外の名品が多数あることが判り、当初予定していた箱根美術館を取り消して、ポーラ美術館に変更しました。
まず建物が斬新ですね、周囲の景観に配慮しているのも好感が持てます。入館すると聞きしに勝る豪勢なコレクションでした。
なかでも、驚いたのは日本趣味で有名なモネの「睡蓮の池」がここにあったことです。この絵のテーマは睡蓮ではなく池だったのですね。そのため画面を横断する日本風の橋をやや上方に上げて、池の広さを強調し、バックは緑の樹木で掩って遠景を遮り、自然に目が池面に向くように計算されています。流石モネですね。
オキテルさんは、岡田三郎助の絵が気に入ったとのことですが、私も彼の絵は大好きです。私はあのような品格のある絵が好きです。
今回はこれで失礼いたします。2013.1.21
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