安倍首相の辞任
2007/12/27
安倍首相が辞任して、もう3ヶ月も経つ。それなのに今頃これを書くのは、辞任の真の理由を本人がホームページに書いているのを見つけたからである
こう書いてある:
まず、私がお話し申し上げたいのは、私が辞意を表明するに至った理由です。
巷間いろいろと言われておりますが、所信表明演説直後という最悪のタイミングに辞任表明をせざるを得なかったのは、私の体調悪化が極限にまで達していたことが原因のすべてです。
体調の悪化が思考にまで影響を与えるようになってしまっては、総理としての責任を全うすることができないと、考えたからです。では、なぜそのことを辞意表明の場で述べなかったのか―。
私は、内閣総理大臣の重職にあたるものは、在職中、自らの体調について、内外に公表するべきではないと考えていたからにほかなりません。
しかし、そのことを述べなかったために、国民の皆様、また報道関係者の方々に誤解を与えてしまったとすれば、本意ではありませんし、それは痛恨の極みであります。
あの折のことをこの場をお借りして、正直にお話しするとともに改めて深くお詫び申し上げます。
(注:最終変更日時
2007年11月16日
21時21分とある)
これで、国民の納得が得られると本人は思っているのだろうか。少なくとも小生は説得力を感じない。
辞任当日(9月12日)の記者会見を見たときの印象を以下に書く。
辞任の記者会見は、ジムで、自転車こぎの運動をしているときだった。テレビ画面からの安倍首相の言を聞いている内、これが1国の首相か?と何とも悲しい気分になった。
政事局面を打開するため辞任する、決断は早いほうが良いという。自分の力で局面を打開するのではなく、辞めて他の人にやってもらうと言うことになる。それ自体何とも一国の宰相らしくない姿勢ではないか。
止めるのであったら、なぜ、参議院選挙で敗北したときに止めなかったのか。あのとき、首相としての任務を継続すると決意を語った舌の根も乾いてないではないか。
しかも、辞任表明の直前に、ブッシュ大統領やプーチン大統領と会談して居る。且つ、国会で所信表明演説もしている。止めることを考えながらトップ会談しているとしたら、伝えるもの訴えるものなど何もない単にスケジュールをこなすためのトップ会談ということになる。
こんな失礼な話もないと思う。所信表明演説も、自分でも白々しいと思いつつやったのではないか。
民主党小澤党首に党首会談を申し入れたが断られたと言い、恰も会ってくれないから止めるというように言い方だった。まるで子どもの言い訳に聞こえがっかりした。
病気だという話もあるが、急病なら致し方ないが、その後の情報を見ても、急病という印象はもてない。
ふと、思ったのは、安倍首相が任期継続と気張ったのに対し、党内からは黙認の姿勢だったようだが、その実、誰も支持はしてないという空気、いわば、いじめに似た雰囲気が出来ていたのではないか。
新聞で見た文句だが、「安部内閣発足の時は、お友達内閣と揶揄されたが、その実お友達は誰もいなかったということだ」とあった。言っていることは同じだろう。
それにしても、それだから止めるというのも子供じみている。兎も角、何とも情けないという気持ちが今以て消えない。
誰かが新聞に「純水しか飲んでこなかった人だから、長持ちはしないと思った」と書いていた。この方は、事前に内閣の短命を感じていたが、こちらは辞任の弁を聞いて「純水しか飲んでない人間だったのだな」と感じたという差はあるが、言っていることは同じだろう。
若く行動力のある人と期待していただけに、このような人が首相になることが悲しい。
首相に選ばれるまでは、腺病質でネクラな印象を持っていたが、精神的に大変タフな面を見せた、小泉元首相が、偉く立派に見えてくる。
以上が、辞任会見の時に感じたことだが、本人は、真の理由は体調だという。実際その通りであろう、しかし、肉体的な病と言うよりは、精神的な病と感じる。そして、悲しいかな、そのように精神的に弱い人は首相になる器ではないと思う。
後継の福田首相も2世議員だが、どのような手腕と精神力を見せてくれるだろうか。