コウモリが家に入ってきた
2007/8/9

夜、自分の部屋でパソコンをいじっていたら、居間からカミさんの頼りなげな呼び声がする。

「何か部屋の中を飛んでいる。冷蔵庫の後に入った」と言う。冷蔵庫の後を開けたら、床に張り付いているものが見える。蛾だろうと思い、そう言う。しかし、それにしては、少々背が高いなと思う。

殺虫剤を吹きかける。後ずさりしたが、そのまま動かない。棒でこちらに引き寄せてみる。こそこそと冷蔵庫の下に潜ってしまう。

「もしかしてコウモリ?」と思う。

冷蔵庫を移動し、見つけるが、逃げる気配がない。チリ紙を2〜3枚持ち、捕まえ、外に逃がす。

飛んでいった。矢張りコウモリだった。

コウモリってあんなに小さかったのかと思う。もう何年もコウモリを見たことがない。
夕方外に出れば家の回りでコウモリが飛んでいるのを見られるのだろうか。

その1〜2週間後、庭木の剪定をしてもらった。毎年この頃にやってもらうのだが、この庭師が、ピラカンサの木にスズメバチの巣ができていると言って、巣を取ってきた。驚いた。そんなものがあるとは全く気付いていなかった。

「無事に取りはずせたの?」と訊くと、「スズメバチを追い払う薬を持っている」という。「でも、戻ってくるのでは...?」と訊くと、「この薬の臭いがスズメバチは嫌いで、しかも巣を取ってしまったからもう戻ってこない」とのこと。

「巣の中に残ってない?」と訊くと、「この薬で巣の中を噴霧してあるから死んでしまっただろう」とのこと。

安心したが、こちらは何も気付いていなかったので、もし何も知らずに近寄ったりしていたらどうなったろうかと怖くなった。

巣を触ってみたが、以外にもろい。旧家などに飾ってあるスズメバチの巣はエナメルなどで固めているらしい。しかし、こうして巣を撤去し、中の蜂を殺してしまったのは、気がとがめないではない。

庭では、ウグイスがよく鳴いているし、コウモリの来訪もあるしで、我が家の回りには自然があると、ちょいと良い気分ににもなっている。

スズメバチも自然には違いないが、余り歓迎したくない。

そういえば、公道を少し入った脇道に、「猪が横断します」という看板がある。猪も住んでいるのかと、我が町の自然の回復を嬉しく感じる昨今である。

こうもりに殺虫剤を掛けたのも、悪いことをしたなと言う気がする。しかし、蛾などに掛けるのは悪いと思わないというのも、何か、後ろめたい。