プラド美術館の絵画展
2006/7/7

上野の東京都美術館にスペインはプラド美術館の絵画展があり見に行った。

上野公園に入るといつも思うのだが、大きな樹のある公園は、歩いていて気持ちがよい。大木を観ると心が豊かになる気がするのである。

美術館の入り口前の広場で、大道芸をやっている人がいた。ある姿勢のまま動かず、見物人が金を入れると姿勢を変えるというよくある芸である。大きなお世話だが、一旦、ある姿勢(余り楽な姿勢に見えない)を取り、次ぎにお金が入るまでの時間が長いと相当疲れるのではないかと心配する。

鞄に東京都のマークが入っていた。つまり、東京都公認の大道芸人ということだろう。

さて美術展は、やはり結構込んでいた。東京での有名美術展は、何時でも混むという気がする。これだけ人が入るから、引きも切らず外国の美術館の美術展が開かれるのであろう。

15世紀から17世紀のヨーロッパ絵画の展示故、写実的な絵が殆ど。現代の美術展とは大分雰囲気が異なる。

写真機が発明されてから、写実主義の絵画は余り描かれなくなったようだが、絵画の写実は、写真とは異なるように思う。

ボデゴン(「厨房画」と訳すらしい)といわれる、台所の品物の静物画などは、その質感の表現にうっとりする。

また、ゴヤの人物画を観て感じたのだが、人物の性格まで描写している感がある。

ルーベンスの裸婦は、以前から感じているのだが、太り気味、お腹かもかなり出ており、中年太りの女性という気がしないではない。カミさんは、自然に描くとああなるのではないかという、とすれば、やはり写実主義か。

贅沢かも知れぬが、美術展は、余り人がいない会場を、ぶらりぶらりと気ままに観て歩くのが一番楽しめるのではないかと思う。常設展が一番ではないかと思うのである。

今回のような、特別展は、兎も角混む。人の後に従って、前が進むのを待ってと言うより前の人にくっついてみていくというのは、何か、落ち着かない。

てな楽しみ方をして、美術館を出る。先ほどの大道芸人とは別の人が、足でドラム、口でパンフルート、手でギターの小型のような弦楽器を弾いて演奏していた。

動物園の前に広がる広場では、綱渡りをしている大道芸人もいた。大道芸も大分盛んになってきている感がある。