盗作騒ぎ
2006/6/4

文部科学大臣賞をもらった画家の作品が盗作の疑いありと言うことで話題になり、マスコミを賑わしている。

最初、受賞作品と原画であるイタリア人画家の作品を並べてテレビで見たとき、これは、少なくもデッサンは全く盗作だと思った。

その後、日本人画家の反論が放映された。デッサンは似ているが、描画法が違う。絵の具の量は、原画よりも遙かに多いと言うような反論だったと思う。小生には、この反論が正しいものとはどうしても思えない。

そのあと、この画家が、このイタリア人画家のデッサンで他にも何枚も似た形で描いているのが続々と放映された。放映されたもの全てデッサンは全く同じに見える


原画

盗作を疑わられる人の作品 !!
何枚も似ていると報道されたもののひとつ
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/673793.htmlより

それに合わせ、イタリア人画家と日本人画家の主張が放送されるのだが、何とも、ちぐはぐな、かみ合わない議論になっている。

日本人画家曰く、家族づきあいしている。彼が書いてくれた自分の肖像画を持っている。
作品は二人の共作である。

一方のイタリア人画家は言う。彼が画家とは知らなかった。彼の作品は、自分の絵の模写以外の何ものでもない。盗作を認めないなら訴える。

どちらが本当なのかは、小生には分からない。だが、デッサンは全くイタリア人画家のものであること疑う余地がない。日本人画家も認めている。デッサンは彼のものを使ったが、表現が違うから自分の独創だというのは、正しい主張なのだろうか。

創作家の倫理感として納得できるものでないと小生には感じられる。それを臆面もなく言う画家の姿勢に強い疑問を感ずる。それとも、絵画の世界では、そういうことは許されるのだろうか。共作というなら、イタリア人画家が否定するのもおかしい。何とも奇怪な事件である。

ふと、こんな想像が頭をもたげた.....もしかして二人の狂言ではないのか。イタリア人画家が正しいとしたら、失礼千万な想像である。

この事件で、二人共有名になったことは間違いないだろう。あまりにも両者の言い分が異なり、デッサンを盗用したことをつゆほども恥じておらず、共作だなどと倫理感のかけらも見られない言動と姿勢が何とも不可解で、そんな下衆の勘繰りをしてしまった。