ライブドア
2006/1/30

ライブドアのホリエモン社長が逮捕され、拘置期間が延長されたという。近鉄球団の買収や球界参入、フジテレビとの提携のごたごた、衆議院選出馬と時代の寵児のように騒がれたが、何とも情けない事態になったなと残念に思う。

ライブドアという名前は、何年前だったか、タダのインターネットサービスプロバイダー(ISP)として、雑誌に広告が度々出ていたと記憶する。その会社を、ホリエモンの会社が買収したと聞いていた。その後、この広告を見なくなったが、事業は続けているものと思っていた。

今回の事件で、ふと気が付いたのだが、普段、インターネットで、あれこれと見ているが、ライブドアーのページを見た覚えがない。パリーグ参入でライブドアと争って勝った楽天については、infoseekや楽天市場等あれこれ見かけるし、infoseekのサーバーも現在使っている。そのような場面で、ライブドアを見かけたことがない。

情報産業の寵児のように言われていたし、こちらもそう思っていたが、やはり、虚業だったのかと思い始めていた。

しかし、そうではないらしい。日経新聞に山根銀治という方が、デジタル関連のエッセーを書いているが、「Eudoraというメールソフトがあり、そのソフトのトラブルで、サポートに問い合わせたところ、サポートの対応が大変丁寧で誠意に満ちていていたためお礼のメールまで出した。そして返事の発信元がライブドアであることに気付いた」とあった。
ライブドアーも虚業ばかりではなかったらしい。

こういうきちんとした事業もやっていたと言うことに何かほっとした気分になった。ともあれ、金の亡者になり、倫理感欠如という事件が多すぎる。利益を上げるためなら、何をやっても良いという風潮が蔓延しているように思う。

しかも、それが、いつまで経っても改善されていないのは、捕まらなきゃ、ばれなきゃ良いという思考も蔓延していると言うことだろう。

もう20年も前になるだろうか、娘が、残業で遅くなったときの話を想い出す。残業を終え、深夜近く事務所を出ようとしたら、「今日は職安の点検があるかも知れぬから裏口から出ろ」という指示が出たという。また、残業はさせられるが、残業を付けて良いかどうかはいちいち上司が決め、「今日は残業を付けなさい」と言うとのこと。

色々日本的慣行の残る二流企業ならいざ知らず、日本のトップ企業がこれかと腹が立ち、社長に手紙を書いてやると言ったら、娘に「絶対止めて!」と凄い剣幕で叱られた。

当時ある地方の銀行が、同じようなことをして、警察の捜査を受けたという報道があった。警察が小物ばかり挙げるのは、一罰百戒で、大手に警告を発しているのではないかと勘ぐった。

娘が大変な剣幕で「止めて!」と叫ばねばならぬこと自体がそのような社風を如実に表していると言うことだと感じた。

昨今、報道される倫理感欠如の企業事件は、伝統あるある一流企業のものではないようだが、M自動車の欠陥隠蔽事件など一流企業でも本当かと疑う様な事件があったのはつい最近のこと、この会社も変わってないのではないかという気がしてならない。

ホリエモンが、「悪いことは何もしていない」と言っていると報道されているが、どういう意味でそういっているのか気になる。