洗顔

2006/1/5

 

朝起きて顔を洗うのは、誰でもやることで、余り話題にすることではないだろう。まして、正月早々の話題として適切とも思わない。


それを敢えて話題にするのは、正月を迎え、アパートで一人住まいをする娘が家に帰ってきたことにある。


朝、顔を洗うと言えば、両手で水をすくい、それを顔に当て手で顔をこすると言うのが、もっとも普通の方法だろう。


小生も、大学に入るまで、ずっとこの方法で顔を洗っていた。それ以外に方法があるなど思いもしなかった。


ところが、大学に入って仙台に行った折、彼の地の人達が、タオルを洗面器に入れ、これを両手に載せ、両手で水をすくい、顔を洗っているのを見て、大変感心した。

まず、この方法は、十分に水がすくえ、丁寧に静かに洗える。

 

一般的洗顔方法は、水が手にある内にということで、急いで、ぶるぶると顔や手をふるわせる必要がある。そのため時には周りにしずくが激しく飛ぶような洗い方をする御仁が居て、甚だはた迷惑をすることがあるが、仙台式洗顔法は、全くその心配がない。実に優雅な洗い方だ。


以来、50年近くこの洗い方を続けている。カミさんも彼の地の出身故、この洗い方である。

子供達も、小さい頃は、親がそうするのだから、当然、そのように洗っていた。しかし、ある程度大きくなってから、手だけで洗う方法に変えたようである。帰ってきた娘はやはり、両手で水をすくう一般方式で洗っていた。


おそらく、友達で、このような洗い方をするのが居ないからであろうと思っていた。


所が娘に訊くと、そうでもないらしい。他の人がやらないからと言うより面倒だからだという。

 

面倒くさがり屋の小生が、全然面倒と思わないで、素晴らしい洗顔方法だと思ってやっているので、面倒くさいという説明はどうにも腑に落ちないのだが、ともあれ、そういうことらしい。

この洗い方、関西にもないと思うのだが、東北地方だけなのだろうか。東北は皆この方式なのだろうか。


詰まらぬことのようだが、妙に気になるのである。

 

追記:これを読んでくれた仙台出身のご婦人が、そういう洗い方を私は知らないという。必ずしも、仙台あるいは東北地方で一般的洗顔方法とはいえないようだ。