アルツハイマー2
2006/3/30

2ヶ月に一度の定期内科検診があり、病院に出掛けた。今回は、「アルツハイマーの可能性について、医者に相談して見ろ」との友の警告もあり、いつもとは違う気持ちで出掛けた。例によって、医者は、「何か変わりありますか?」との質問。

「体調は特段の変化はありませんが、実は...」と、2連続で約束を忘れたこと、友人にアルツハイマーを心配せよと警告を受けたことを述べ、何かチェックの方法はあるのか訊ねる。

ない訳ではないがと、笑いながら「立方体を影の稜線を点線にして書いてみなさい。もう一つ、時計を文字盤も含め描き10時10分になるように描いてみなさい」と言う。

二つとも見事に書いてのける。

「こんなことで、分かるのですか」と訊けば、「アルツハイマーの人はこんなことができなくなるのですよ」という。そして、「アルツハイマーの心配をするより、忘れない工夫を考えなさい」と笑われた。

友に、アルツハイマーを心配せよと言われたとき、カミさんもそばにいたのだが、「その可能性あるかも知れないけど、今更始まった忘れっぽさでもないし...」と宣い、さほど深刻に心配している風がない。

カミさんが少しでも心配そうな顔でもすれば、こちらも気になったと思うが、そうでもないので、「ひとつことに集中すると他が見えなくなるという度合が、俺の場合は強いということだ」と自ら納得し幾分自己嫌悪を和らげていたのだが、医者の言葉に今一度、安心の度を強めた。

しかし、完全に安心した訳ではない。昔からとはいえ、兎も角忘れっぽいのはかなり酷いのだし、できるなら直したいとも思っている訳だから、医者にそういわれたからといって、万歳を叫ぶ気には全くならない。

医者が言うよう、忘れない工夫をどうするかということになるが、これだけ長年直らないのだから、そう名案が浮かぶ訳でもない。

約束のある日は、その時間が近づいたら、気になって身を乗り出してしまうようなことには手を出さないで、なにとはなし暇をつぶすようなこと、例えば、机の上の整理、パソコンゲーム、読書などで時を稼ぐというのが今思い浮かぶ案である。

妙案がある人がいたら、伝授してもらいたいものだ。