水茄子

2005/6/13

 

先日、あるファミリーレストランに入った。期間限定の特別メニューとの説明に、勧められるまま、一品取った。泉州名産「水茄子」の浅漬けとのこと。ファミリーレストランのメニューでそれほど美味いものは有るまいと高を括って食べたが、意外なうまさに驚いた。

泉州とは、大阪府下、堺から南の大阪湾沿いの地域を言う。

「水なす」は泉州地域を代表する特産物で、一般のなすに比べて皮が薄く、手で握ると水が滴り落ちるほど水分が多いのだそうだ。それ故「水なす」と呼ばれるのだそうだ。江戸初期から、生産され、泉州地方の気候と風土でしか育たないという(本当だろうか?)。

「水なす」はぬか漬けの浅漬けが絶品とのことで、ファミリーレストランで出たのがこれ。

会社勤めの頃、2年数ヶ月ほど堺の臨海に住んだことがあるが、「水茄子」の話を聞いた覚えがないし食べた覚えもない。

どうも最近、以前住んだり、何度も訪ねたりした場所の名産品に出会い、それがいずれも、住んだり訪ねたりした頃には全く知らなかった特産物であることが不思議でならない。

沼津に小学校から高校まで丸9年も住んでいたが、富士山の湧水で育てるというみずかけ菜のことは最近まで知らなかった。これも、漬け物が美味しいと聞くが、これまで食べたものは塩味がきつ過ぎて美味しいものに出会ってない。

カミさんの言うには、仙台の長なすや信州の野沢菜も同じような傾向があるという。地元の家庭で漬けたものは、水茄子と同じように、大変美味しいが、スーパなどで売っているものは、塩気ばかり強くて美味しくないという。

それにしても、あの水茄子は旨かった。

インターネットには、水茄子の浅漬けのネット販売情報がたくさんある。スーパーマーケットより、ネットで求める方がよいものが得られるのだろうか。