長持ち
2005/8/16

我が家に、これは長持ちしたなと痛く感心しているものが5つある。

フランス製コップ(今やグラスというのが普通らしい)、壁掛け時計、子供用食卓椅子、そしてバリコン調整のFMラジオチューナー5つである。


フランス製コップは、いわゆるタンブラーと呼ばれる背の高くないコップで、喫茶店などで、水のサービスに使われるようなもの。コップの底面には、VERECO Franceと入っている。独身時代から使っていたもの。つまり38年以上、おそらく40年は使っている。

 

当初は5つ一組だったのだが、数年前に一つ、その後またひとつと床に落下させて二つが、破損した。それらも30年以上使用に耐えてきた。我が家で、老母と我々自身を除き最も長期の使用に耐えている品である。


これだけ長く使っている内に、表面にはひっかき傷のようなものがあちこち付いているし、少し、黄色がかった変色もしているが、ともかく頑丈である。


この耐久性に感心し、百貨店へ出かけると、探してみるのだが見つからない。99年にパリに行って折には、プランタンという百貨店に入って探してみたがやはり見つからなかった。


大分以前に、一度、喫茶店か居酒屋で同じコップを見かけたことがあるが、その後とんと見かけない。


何はともあれ、この頑丈さには、感激している。もし、見つけたら間違いなく衝動買いするだろう。


壁掛け時計は、結婚のとき、仲人から送られたもの。単1電池で動かすものだが、以来我が家の居間に飾られ休むことなく時を刻んでいる。1967から我々夫婦の歴史と同じ年数を共に過ごしてきた。間もなく38年になる。


余り弄るものではないから、長持ちして当然とも言えようが、それにしても、故障もせずよう動いていると思う。他にも、結婚祝いにもらった置き時計があったが、こちらは、ずっと以前に壊れてしまった。


子供用の椅子は、我が家の最初の子供が幼児の頃に買ったもの、実に頑丈で、今以てびくともしない。腰掛けと背当ての部分がいわゆるビニルで覆われているが、色は褪せたものの破れもせず、現在は3人目の孫2才が我が家に来ると使っている。

 

踏み台としても大変重宝している。有名品でも何でもないごくありふれたものなのだが、それだけにこの頑丈さは表彰もの。これが長期使用第3位。


第4位がFMチューナで、トリオの名機といわれたKT9700という製品。1975年頃に買った。このチューナ、いわゆるバリコンで周波数合わせをする旧式のものだが、今日に至るまで一度も故障したことがない。他のオーディオ製品で、故障なしというものがない中、その耐久性と安定性には惚れ惚れする。製造会社のトリオは社名を変更してもう今はない。


最後が冷蔵庫。これも1977年頃に購入した大型のもの。今も我が家の台所に座っている。20年くらい前、コンプレッサーが故障して修理をしたが、それ以外故障したことがない。

 

新しい冷蔵庫は省エネ設計になっているらしいから、これを使い続けていることに後ろめたさがない訳ではないのだが、問題なく使えているので捨てる気にならない。

知人がこの会社の家電はダメだというのだが、この冷蔵庫だけは当たりだったのだろうか。


いずれも30年近いあるいは以上の使用に耐えて、なお、ばりばりの現役である。我が家でこれよりも長く長期使用に耐えているのは老母(90才)と小生ら夫婦だけである。

 

このような息の長い製品は、それだけで、愛着が湧いてくる。いつまで使えるだろうか。我が身自身との耐久レースになりそうである。