表題

(1)出航までと船内生活

ノーサン

<出航まで>

足腰が丈夫なうちにと、夫婦で世界一周の船旅に行ってきました。結論から言うと「非常に楽しい97日間を過ごすことができて、良い思い出となりました」。

「ピースボート第100回記念クルーズ南半球航路世界一周」に参加し、2018年12月26日横浜港を出港し、13か国・17寄港地を訪れ2019年4月1日神戸港に帰ってきました。

当初、ピースボートの船旅はどんなものか、どんな人たちが参加するのか、費用はどのくらいか、政治活動や宗教活動があるとの悪い噂を耳にするがどうだろうと不安があったので、高田馬場にある(株)ジャパングレース本社の説明会に行ってみました。

オーシャン・ドリーム号

集まった人たちは、みんな中高年の我々と同世代で安心しました。また、横浜港で船(オーシャンドリーム号)の見学会にも参加して、船内・船室などをよく見てきました。

その結果、妻の希望でバルコニー付きの最高級の船室を選びました。広さ26m2、ツインベッド、バスタブ、ウォシュレット、ウォークインクロゼット、冷蔵庫、大型TVなどが完備されており7~8人で飲み会を何回かやりました。(内緒)

<船内生活>

船内の廊下

まず、乗客は約1,000人。日本人80%、外国人は台湾、香港、シンガポール、中国、韓国、東南アジアなど。平均年齢72歳、最高齢94歳、推定70%は一人参加、カップルは30%(怪しいカップルも含む)。

車椅子の人も、杖をついた人も5~6人はいました。また、リピーターが40%もいると聞いて驚きました。事実3~5回目だという人はザラでした。

船内の食事はすべて無料。4階のメインダイニングは、朝・昼ビュッフェ式、夕食はコース料理で、日本人に合った献立・味付けでまずまずでした。

9階のサブダイニングはビュッフェ式で、昼食のそば・うどんは人気でした。アルコール等飲み物は有料で、クレジットカードを登録したバーコード付きIDカードを所持し、売店、バー、自動販売機の精算ができます。

食事は、係員がテーブルに案内してくれるので、そこで初対面の人と顔合わせとなります。名前と出身地(現住所)を紹介しあうのですが、食事のたびに違う人と席を共にするので、とても覚えきれるものではなく、旅行中顔と名前が一致して親しくなった人は20~30人くらいでしょうか。

長い航海できっと退屈するだろうと思い、音楽と落語のCDを20~30枚持参しましたが、毎日結構やることがあって結局CDはほとんど不要でした。

毎前日「船内新聞」が全員に配られ、それには翌日どこで何時からどんな催し物が行われるか書かれており、各自が好きなものを選んで参加するのです。催し物としては(1)ピースボートが主催する各種イベント、(2)有名人を「水先案内人」と称して、講演会やパフォーマンスを行う、(3)インストラクターによる各種教室、(4)乗客による自主企画 があります。

(1)は、ウェルカムパーティー、カウントダウン、お正月イベント、芸達者祭、洋上大運動会、節分、夏祭り、卓球大会、麻雀大会、ペタンク大会、カルチャースクール発表会、自主企画発表会など。これらのイベントは、若い人たちが中心に一部シニアも加わり準備・進行に努めていただきありがたいことでした。

(2)の主な水先案内人は(敬称略)鎌田慧(ルポライター)、前田哲男(軍事ジャーナリスト)、伊藤千尋(国際ジャーナリスト)、木村朗(大学教授)、河合弘之(弁護士)、東ちづる(女優)、今野由梨(起業家)その他外国人等。

(3)のカルチャースクールは、英会話、スペイン語、中国語、社交ダンス、フラダンス、ヨガ、筋トレ、エアロビ、水彩画、など。

(4)乗客の中には何か教えていた人、多彩な趣味・特技を持った人がいます。そんな人が先生となって企画を行います。手品教室、折り紙教室、南京玉すだれ、ウクレレ教室、合唱、歌声喫茶、サッカー、バスケットボール、テニスなど盛りだくさんです。

その他にもプール、ジャグジー、スポーツジム、ゴルフ練習、卓球、ペタンク,囲碁、将棋、麻雀もあり、充分楽しむことができました。

ペタンクで優勝

私は多くのイベントに参加し、卓球大会(ダブルス)と麻雀大会は2回戦で敗退してしまいましたが、ペタンク大会(3人一組)では女性二人と組み30組のトーナメント戦を見事優勝しました。

私も初めてペタンクという競技を行いましたが、私の投球のコントロールと船の揺れによる傾斜の読みで、ボールの転がりを推測した頭脳プレイと言えます(自慢)。

陸上でやったことはありませんが、むしろ船上のほうが面白いのではないでしょうか。妻は、社交ダンス、フラダンス、ウクレレ、水彩画などを楽しんでやっていました。

もちろん、催しに一切参加しないのも自由で、のんびり起きてジムでトレーニング、午後はデッキで本を読んで夕陽を眺める、夜は居酒屋かバーで一杯やって船室に帰って寝る。こんな生活を満喫している人もいたようです。

船内生活は、毎日忙しくもなるしのんびりすることもできる、個人個人の意思が尊重され、自分の好きなように過ごすことができると言えます。

...次ページに続く

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