梅垣 高士
2枚目(写真2)は、旭岳の写真ですが、誰かのザックが写っています。ザックについているのは、ピッケルではなくて、大きなこうもり傘です。北海道は、梅雨がないなんて話ですが、この山行では、かなり雨に降られたので、傘は、大変役に立ちました。当時、折りたたみ式の傘はありませんでした。 計画通りの縦走が出来なくなったので、この山行のハイライトは、石狩岳(1980m)(写真3)になりました。文字通り、一点の雲もない晴天で、独立峰の頂上では、360度、視界をさえぎるものがなく、北海道の大自然の真ん中にいるという思いがしました。向かって左後方、残雪があるのが旭岳です。
大雪山系の高山植物として、蔵王でも見られる駒草(写真4)、日光の高原などにも生えているキスゲ(写真5)、エゾノハクサンイチゲ(写真6)、エゾコザクラ(写真7)などを紹介します。飯豊、朝日など東北の山でも、同系統同種の花は見られますが、何かの他の植物と混じって生えていたりして、よく注意していないと、見逃してしまうこともあります。勿論、大雪山系の景観の美しさ、雄大さも素晴らしかったのですが、本州の山にはない、高山植物の群生のスケールの大きさには圧倒されました。特に印象的だったのは、五色岳(中央高地の図の真ん中付近)から少し下って、沼が原へ向かうあたりで、道の両側が、見渡す限り、エゾノハクサンイチゲ、エゾコザクラなどで覆われていたところが何箇所かありました。群落の写真も撮りましたが、残念ながら、スケールの大きさの実感を画像に映すことは不可能でした。 もう一度、あの花だけでも見に行ってみたいと思うこともありますが、15kg位は、体重を落とさないと無理です。当面(?)は、43年前のカラー写真の何枚かをとっかえ引き換え、パソコンの壁紙にして楽しむことで我慢します。 この文を書こうかなと思っていたとき、偶然、NHKアーカイブスとかで、1985年製作の「大雪山 花紀行」が再放送され、43年前に辿ったルートの一部の風景をテレビの映像でみることができました。ビデオにとりましたので、高山植物の群落をビデオキャプチャーの画像として、43年前のスライドと併せて紹介すれば興味深かったかもしれませんが、ものが一杯のっている机を片付けて、ビデオデッキをもってきてパソコンとつないでという準備のことを考えるだけでも、うんざりしましたので、次に機会があればということとにします。 |