鷺 康雄

今度の1111日に皆さんとお会いできるのを楽しみにしていますが、遠藤君からのメールで「3分間ではしゃべり足りない人は是非投稿を」とお誘いを受けたので、少し近況をお話します。

5年前から「LCB研究会」なる産官学有志による研究会に入り、事故・不祥事を起こしやすい組織はどの様な組織か、そして組織が事故を起こしやすいかどうかをどう判定するかを検討し、簡易的に診断する診断法の開発に取り組んできました。

東大との共同研究で、文科省の研究テーマとして認められ3年間にわたり研究費が支給されました。今年の3月までの3年間にシンポジウムを6回開催し成果を報告してきました。

11項目の診断項目からなる「LCB式組織の健康診断」を開発しました。上級管理者、中間管理者、第一線実務者の3階層にアンケートに答えてもらうことによって、その組織の強み弱みを知り改善に結びつけるというものです。

私がクレハ退社後お手伝いをしてきた某化学会社での診断を通して化学工場の安全文化構築に幾分でもお役に立てたことを喜んでおります。

LCB研究会は今後も診断対象分野を広げ継続されます。今年度からは東工大との共同研究で科研費も継続されます。また、研究会の成果をさらに発展させる目的で「リスクセンス研究会」なるNPO法人を発足いたしました。私も理事の一員として参加しました。

「リスクセンス研究会」では、「リスクセンス検定」という検定制度を創設し、上級管理者、中間管理者、第一線実務者を対象に検定を実施します。受験者は検定を受験することにより自身の「リスクセンス」に関するレベルを把握出来、更には、自分の所属する組織の健全性、強み弱みを把握することが出来ます。

これは「LCB式組織の健康診断」の開発を進めていくうちに、健康な組織のためには優れた構成員が必要であること、つまり組織内の個々人のレベルアップが必要であり、これにより組織の健全性のレベルアップが初めて可能になるとの認識に至り、LCB研究会の更なる発展の形としてNPO法人の設立に向かったという背景があります。

私は今後もしばらくこの活動に関わっていくつもりでおります。

なお、日は迫っていますが1029日(土)東工大においてシンポジウムが開催されます。私も少ししゃべることになっております。関心のある方がおりましたら覗いてみてください。

下記ホームページを参照ください。HPの「新着情報」にシンポジウムの案内があります。


http://risk-sense.net/

以上

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