松田悠子
アメリカからの報告です
8月25日に当地についてあっという間に10日ほど過ぎてしまいました。先日、ようやく私のメールが開通したので、お知らせ方々少々アメリカのご報告をさせていただきます。
とはいいながら、いろいろありすぎて何をお知らせしたらいいか迷ってしまいます。まずは、先週末のドライブの報告をしましょう。
アメリカでは、例年9月第1月曜日は「労働祭(Labor Day)」という祭日で、先週末は3連休になりました。折角だから、1日ぐらいはどこかに出かけてみようという話になり、太平洋沿岸に沿って北上すること220マイル程はなれたSan Luis Obispo という町(市)に向かいました。私にとっては、地名すら初めて聞く所。主人がそこに行こうと誘った理由は、その付近に「ハースト家の大邸宅」というのがあって、10年程前に連れて行ってもらったが、お城のようにゴージャスな邸宅と庭が印象深かった記憶があるとのこと。
いやはや、遠いの何のったって。日本じゃとても日帰りできる距離ではないですね。6時出発、フリー・ウェイを飛ばしに飛ばし4時間半ほどでようやくたどり着きました。目的の大邸宅がSan Luis Obispo のどの辺にあったのかは覚えていないということで、町の Info を探しました。これがなかなか見つかりません。同じところを2周して見つけ出しましたが、今度は Info の案内のお姉さんが「ハースト家の大邸宅は?」と聞いてもさっぱり分からない。仕方がないから、とりあえず町の案内地図をもらいました。主人いわく、「どうもこの町は記憶と違うなあ??」
地図を見ているうちに、地図のはずれに「To Hearst Castle (45 miles)」という小さな文字を矢印とともに見つけました。これだ、これだとばかり、今度はそのキャッスルの場所を聞きに Info に逆戻り。
Info のお姉さんは、Hearst Castle というパンフレットをくれましたが、見学には reservation が必要ですよとのこと。主人が、電話を借りて申し込みましたが、本日の予約は満員ですとすげなく断られたそうな。ここまでやってきて何も見ないで帰るのも癪だし、それではせめてキャッスルの周囲だけでも眺めましょうかと話がまとまり、さらに45マイル北上することになりました。
ようやく、主人が見覚えがあるというキャッスルらしきものがはるか山の上に見えてきて、よしよしもうすぐだと思ったら、前に並んでいた車が全て広い駐車場の方に誘導されています。何のことはない、キャッスルの見学者は全部そこで車を乗り捨てて、別途仕立てられたシャトルバスに乗り換え山の上に見えるキャッスルに向かうシステムとなっていました。
キャッスルの経営者(?)はなかなか商売上手、駐車場にはシャトルバスへの乗換場を兼ねた立派なビジター・センターがあり、飲食物、お土産品、パンフレット、資料などを大々的に販売している他、シアターで「億万長者になったHearst家の成功物語」的な映画まで上映している。おまけに、何台もの有料望遠鏡がしつらえられていて、予約にあぶれた人たちのために山上のキャッスルの覗き見を許している。見ていると、たむろしている人々の大半は、予約システムを知らずにやってきた人たちのように見えました。「このような人たちをただでは帰さない、これが、Hearst家が億万長者になりえた秘訣なのだ」ということを、展示資料を見てつくづく悟ったという次第です。
こちらの気候は、想像以上に過ごし易いものです。家の中は寒くも暑くもなく、掃除などをするとちょっと汗ばむ程度、「暑いですね。」などという挨拶が成り立ちそうもありません。ただ、外の日差しの強さも格別、ドライブ中などのサングラスは必需品のようです。サングラスを持ってこなかったのは失敗でした。
私どもの部屋は西向きで、太平洋が眼下に見えます。サマータイムのために日の入りが7時過ぎ、椰子の木めいた木の間を通して、海に太陽が落ちていくのを見ることができます。部屋にいる分には天国ですが。
何しろ言葉が全く通じないので、一人で外に出るのに躊躇してしまいます。このアパートには、日本人らしい姿を見ることができません。こちらの人たちは誰でも、出会い頭に必ず何らかの挨拶をしてくれるので、とっさに返事ができないのです。勉強、勉強と思いながら、なかなかその気になれないのは困ったものです。
ただ、食事は結構おいしいですよ。食材は「何でもあり」です。日本にいたとき以上に日本食を食べています。近くのシーフード・ショップで買ってきたイワシはとても活きがよく、塩焼きにしたら最高でした。
というわけで、支離滅裂に書いてしまいましたが、これが私の今の心境とご理解ください。こんなところが、とりあえずの報告事項です。
皆様、お元気でお過ごしください。