松田悠子
1月半ばから3月末までの間、日本に一時帰国して確定申告や健康診断を済ませた後、再びロサンゼルスに帰ってきました。
目下ロサンゼルスは乾季、こちらに来てから1度も雨が降っていません。季節の境目を肌で感じることは出来ませんが、花の色の鮮やかさや木の新芽のさ緑色などには、一応初夏の気配を見ることが出来ます。ここ海岸沿いは気温の変化が少なく、どちらかと言えば現在は常に肌寒い感じですが、ちょっと内陸に入りますと、日中の日向の暑さは相当なものがあります。とはいえ、空気が乾いているので木陰に入ればすぐにすっと汗が引いてしまうのですが。
アメリカの現状は?といわれても、英語力はその後もちっとも進歩しないため、テレビを見てもなかなか情報を把握できません。それでも、ここのところ国内は大分落ち着いている感じです。空港などは相変わらず厳重な警備体制にあるのでしょうが、例えば美術館などに出かけてみても、ひところほどの厳しい手荷物チェックは入らなくなりました。喉もと過ぎれば・・・のことわざは日本だけのものではないようですね。中東情勢は予断を許しませんし、アメリカ国内でもパイプ爆弾騒ぎなどがあったりして決して安心して暮らせる状況ではないのですが。
そうそう、大リーガーに日本人選手が多くなって、テレビで野球を観戦する楽しみが増えました。我が家で加入しているケーブルテレビについては、日本と違って、必ずしも毎日野球の放映をしているわけではないのですが、かなりの頻度でドジャースの試合を見ることが出来ます。目下、野茂は不運、石井は幸運な結果になっているようですね。現地のテレビでも、石井の様子はよく画面に出ます。アナウンサーが「ナイス・ガイ」としきりに言っているところをみると、石井はアメリカ受けしている感じです。イチローは勿論、新庄もアナウンスの中で結構話題に乗ったりしているところを見ると、日本人選手はここアメリカでも立派に市民権を得ているようですね。
市民権と言えば、こと私については、言葉が不自由のみならず結局運転免許を取ることをあきらめてしまっているので、一人で行動する範囲はつい限られてしまい、およそ他所者の域を出ることが出来ません。仕方が無いので、週末ごとに無理矢理どこかに連れ出してもらっています。
3週間ほど前には、リゾート地として有名なパーム・スプリングスに1泊で遊びに行ってきました。我が家から車で2時間半ぐらいの距離ですが、砂漠のど真ん中に人工的に作ったオアシス地区といった感じです。ゴルフ、カジノ、スパなどが売り物らしいのですが、いずれも私には関係ないので、すぐ近くの2000m級の山にトラム(ケーブルカー)で登りました。丸いケーブルカーで床が回転し、窓際に立っていると黙っていて360°の景観が楽しめるという仕掛けです。灼熱の砂漠を見下ろすことのできる山頂には、寒冷地に見られそうな松林があり日陰には雪まで残っていました。
一旦下ってちょっと走ると、インデアンの峡谷と言われる西部劇に出てくるシーンそのものの景観が広がります。サボテンの陰からカウボーイかインデアンが出てきそうな雰囲気です。荒涼とした丘陵地帯にトレイルが作られているのでハイキングを楽しみました。ちょっとした山に登ったのですが、日陰が全く無いのでその暑いこと暑いこと、誰にも会うことが無く山頂に到達し、緩やかに広がるサボテン荒野を独り(ふたり)占めしたという次第です。翌日、主人が会社でその話をしたら会社の人達(皆アメリカ人です。)にあきれられたそうですが。(何であきれたのかはよく分かりません。)
次の週末は、アウトレットモールでウィンドウ・ショッピング、その次はマリブの海岸までドライブ、次は美術館・・・となかなか忙しいものがあります。どこに行くにしても必ずフリー・ウェイを使うわけですが、いつも思うことは一つ、こんな走り方でよく事故が起きないものだと感心します。隣のレーンをほとんど平行して猛スピードで走っている車が、ウィンカーを出すが早いか突如前に入り込んでくるぐらいは当たり前。主人に言わせると、よく事故が起きるから自分に仕事が回ってきているのだそうですが。まあ、事故に出会う前に早いところ日本に帰りたいものだと話し合っています。
一応、英会話の教室通いはちゃんと続いています。月〜木曜日の毎夕方6時半ごろから9時まで、2人の女性の先生方がそれはそれは熱心に教えてくれます。今週は、徹底的に発音の練習をしてくれるそうで、「R」の発音で搾られそうです。日本人はLとRが、ヒスパニック系の人はBとVが苦手だのこと。中学から大学までずっとやってきた英語の勉強っていったい何だったのだろう・・・と痛感するこの頃です。
長々と取り留めの無いことをかいてしまいました。毎日特にやらなければならないことも無く、のんびりと過ごしています。
こちら方面においでの際は、是非お立ち寄りください。アメリカの材料を使った日本料理でも作っておもてなししたいと思います。(おいしいかまずいかは別として。)それではお元気でお過ごしください。