ベルンからジュネーブまではバスで約2時間半の行程であるが、途中昼食のためローザンヌに立ち寄った。ジュネーブと同じレマン湖畔にある風光明媚な古都である。
国際オリンピック委員会(IOC)の本部がある。国際バレーコンクールが行われることでも知られている。昨年亡くなったバレー界の帝王、モーリス・ベジャールはここに住んで世界に君臨した。
ローザンヌに入る手前にシヨン城があった。バスを降りて外回りを見ただけだが中世の古城の風情がある。
レマン湖に突き出して建っているので”水の上の古城”といった趣で撮影のポイントになっている。通行税を取るための関所だったそうで、道理で城砦というより外観重視、おとぎの国的な雰囲気が漂っている。
どこの町もそうであるが、ローザンヌでも景観的に最も目立つのは教会の建物である。
ここにはノートルダム大聖堂がある。
12世紀から13世紀に建てられたゴシック建築、高台にあるため否が応でも目立つ。
遠目にはなかなかいいのであるが、近寄ってみるとこの教会は外壁の傷みがかなり激しくそれが逆に歴史の重さを感じさせた。
中に入るとステンドグラスが美しい。
しかしここまでどこの町にいっても教会を見てきたので信仰心の欠如した私には、教会建築は実はいささか食傷気味であった。
チーズ料理 右はローザンヌでの昼食で食したラクレットである。
熱したラクレットチーズを茹でたジャガイモにからめて食べる。
簡単なものでこれが料理といえるかどうかという感じであったが、日頃チーズは敬遠気味の私にもなかなか美味しかった。
チーズとポテトとの相性が抜群である。私は1皿で一杯になってしまったが、うちの連れ合いは3皿も平らげてしまった。
IOC 国際オリンピック委員会の本部はローザンヌにある。今年は北京オリンピックの年であり、赤っぽい旗やポスターで辺り一面中国的雰囲気に満ちていた。
オリンピック博物館もありすぐ近くまで行ったが中に入る時間がなかった。
その後チベット問題が起こったので今頃はこの辺りも影響があるのかもしれない。
前にも書いたように、「チェネレントラ」は昨日ベルンで見たマスネーの「サンドリオン」と同じく「シンデレラ」の物語である。
シンデレラの連チャンということになった。しかしロッシーニのこのオペラは原作?とはかなり違った筋立てで、おとぎ話的な要素が少なくむしろ現実的、というか大人向きである。
何れにしてもロッシーニ特有のドタバタの喜劇であるから見て楽しいし、音楽も快い。「サンドリオン」よりはポピュラーなオペラなので事前にDVDで映像を見ているし気楽に楽しめた。
有名な歌手は出ていなかったが”それなり”にいい声を聞けたし、皆芸達者で笑わせてくれた。まずまず満足! むしろ高名な突出した歌手がいない方がバランスと言う点ではいいのかもしれない。
プログラムを見て気がついたのだが、ここのオーケストラはスイスロマンド管弦楽団が受け持っている。これは予想していなかったことで嬉しかった。昔、20代だったころエルネスト・アンセルメが指揮して一世を風靡したオーケストラである。
今は昔ほどの名声は聞かれないが今日の演奏はさすが、と思って聞いた。往年の残照?か音がきれいでアンサンブルも乱れがなかった。
写真はカーテンコール。
実は後ろに立っている派手な衣装の宮仕えの人たちはどこかで見たような、と思っていたがHPを見たらこの舞台はヒューストンオペラなどとの共同制作であった。
私が持っているDVDはそのヒューストンの舞台を録画したものだったから似ているはずであった。
カラフルで何となくアメリカ的な雰囲気の舞台・・・ロッシーニというかチェネレントラはこれでいいのかも。