北イタリアの町 - ジェノヴァ

北イタリア・オペラツァー(その15)

金子忠

 

ジェノヴァは北イタリアの港町。人口は約60万、私にとってのジェノヴァは一にも二にもかのコロンブスの生誕の地、というキーワードで記憶されています。

 

彼はスペイン王室の援助を受けて西欧人としては初めて新大陸に到達しましたが、そのことが祖国イタリアの経済的地盤をひどく失墜する羽目になりました。

 

それは彼自身も予想しなかったことでしょう。彼の新航路開拓により、世界の主な交易ルートが地中海から大西洋に移ってしまったからです。

それはともかく、コロンブスが新大陸に至るまでの困難に満ちた航海を綴った「航海日誌」は、むかし、胸を躍らせて読んだ記憶があります。

その”憧れの人”の生まれた町ということで大いに期待していたのですが、今回は時間の関係でその方面の観光はできませんでした。

 

左の写真は「コロンブスの家」ですが、バスはあっさりとその前を通り過ぎてしまいましたので何かよくわかりませんでした。ここはゆっくり中を見学したかったところです。

 

コロンブスは1451年にジェノヴァで生れここで少年時代を送りました。しかし、この建物は本物ではなく、元の家の跡に18世紀になって復元されたものだそうです。

 

コロンブスの足跡を訪ねることは叶いませんでしたが、代わりにジェノヴァの華やかなりし時代の建物、街並みを見ることができ新たな発見をした思いでした。

 

昨年、ジェノヴァの旧市街の主だった建物が世界遺産に登録されました。私達はどうやらその部分は見ていないようでしたが、バスで走ったいたるところで由緒ありげな立派な建物を見ました。

 

    

 

中世末期からルネッサンス期にかけてのジェノヴァの繁栄を彷彿とさせる素晴らしい建築でした。

 

都市にしても、文化財にしても、過去に一度でも経済的繁栄の時代を経験したところは現在においてもそれなりに優れたものが残るものだ、と改めて感じ入りました。

 

逆にそのような過去を持たない所はやはり見るべきものはない、と当たり前のことを強く思いました。 

 

    

 

   

 

写真の建物は当時の物なのかどうかわかりませんが、立派そうなものをバスの中から適当に撮ったものです

 

 

バスが海岸通りを走っていたとき、港の桟橋に往時の―大航海時代の―ものと思われる帆船が係留されていました。とっさに、あれはコロンブスのサンタマリア号を復元したものではないかと思いましたが、真偽のほどはわかりません。(そうであってほしいと願っています)