北イタリアの町 - ピサ

北イタリア・オペラツァー(その14)

金子忠

 

子供のころ、少年向け雑誌などに載っていたイタリアの写真といえば、必ずピサの斜塔でした。

その影響でイタリア=ピサの斜塔のイメージが焼きついてイタリアといえば斜塔が頭に浮かぶようになっていました。

序でにいえばフランスといえばエッフェル塔、アメリカは自由の女神 などなど・・・・

そのなつかしいピサの斜塔に今回登ってきました。私としては幼いころからの夢の実現、のようなところがありましたので他の名所・旧跡とは違った感慨がありました。

現在ピサは人口は9万弱、アルノ川の河口にあり、地中海に面しています。

かつては海運が盛んでジェノヴァやヴェネツィアと地中海の覇権を争ったこともありましたが、結局はジェノヴァに屈し、それ以降フィレンツェの支配下に置かれることが多くなりました。

   

斜塔は、12世紀のまだピサが元気だったころに建てられたものです。行ってみるとわかりますが、この塔だけが独立してあるわけではなく、大きな教会の建物の一部です。フィレンツェのジョットの塔と同じで、鐘楼です。すぐ横には立派なドゥオモと洗礼堂があります。

塔がなぜ斜塔になったかは前から聞いていました。要するに不等地盤沈下が起こったのですが、それは建設当初から始まったようです。

3層目まで工事進んだ時最初に対策がたてられ、その後も何回か対応策が実施されましたがそのため、塔は実際はまっすぐではないのだそうです。(つまり側面の線が折れ曲がっている) そう思ってよくみると、多少ギクシャクしているように見えます。

見た目にも確かに危なっかしいのですが、数年前の工事で当面倒れる心配はなくなりました。そのおかげで今回塔の上まで歩いて登ることができました。(しかし15ユーロも取られます!)

他の塔と違ってこの塔は斜めになっているので、登るのも結構大変です。塔は丸いので円筒形の壁に沿ってらせん状に登っていくのですが、通路も傾いているので身体も傾いてバランスをとるのが大変、酔っ払って歩いているような気分です。地上55m、階段297段

塔の頂上は写真のように平らな通路がドーナツ状についていて1周することができます。といってもやはり斜めに傾いた通路です。

登るのは大変ですが、上から見える景色はなかなかのものです。 この日は抜けるような青空で、絶景を楽しみました。

この塔が鐘楼であることの証明が右の写真です。下からはよく見えませんが、頂上には立派な鐘が吊り下げられています。

しかしこの鐘を鳴らすのは大変です。その度に下からあの傾斜した通路を上がって来なくてはならないからです。それはそれとして、一度この鐘の音を聴いてみたいものです。

頂上から見た風景を一つ。下左はピサの町の北側の景観です。 下右の写真は上から見たドゥオモとその先の洗礼堂。塔を含めてこの3つの建物が3点セットです。