金子忠次
シエナはフィレンツェから行くと、サンジミニャーノの少し先、南に30kmほどのところにあります。フィレンツェからは65km。ここもサンジミニャーノに劣らぬ中世の景観を今に残す世界遺産の町です。人口は6万弱。
ナントカの一つ覚えでどこに行っても中世中世と芸のない話ですが、それだけイタリアの小さな町にはどこに行っても中世(もしかしたら古代ローマ帝国)が今に息づいているのです。
しかし、改まって中世って何か、と問われると、困りますね。私のような素人には、難しい歴史や宗教からのアプローチはとても無理なので、ヨーロッパの中世を舞台にした映画やオペラ、ドラマなどに出てくる映像の1コマ1コマがそのイメージとして定着しているようです。
甲冑に身を固めた騎士が白馬にまたがり、長い槍を片手に疾走して行く姿とか凛々しい姿の騎士が美しい姫君に愛を語る場面とか・・・何と言う単純さ!
シエナはトスカーナの覇権を巡って長い間フィレンツェと争っていましたが、最終的にはフィレンツェの軍門にくだりました。
芸術の面でもフィレンツェに対抗して別の一派を形成して張り合っていました。
が現代においては、やはり人々の関心はフィレンツェの方に集まっているようです。
しかし、フィレンツェが観光的に余りにも有名になりすぎてしまったのに対し、シエナにはフィレンツェよりも素朴な昔のままの風景がたくさん残っているように思いました。
実際、世界遺産に登録されたたくさんの歴史的建造物がシエナの今の景観を形作っています。
観光の中心、プッブリコ宮(市庁舎)とマンジャの塔。(下左の写真)
この塔は鐘撞き堂で、高さ100m、6ユーロ(約1000円)払って登りました。
磨り減った石の階段をただひたすら登るのみ。きつかったァ。
しかし、頂上にはそんな辛さを吹き飛ばす素晴らしい景観が待っていました(下
右のアニメ画像はこの塔の上から撮ったトスカーナの風景です)
この辺りは農業地帯で一面のブドウ畑と牧草地、低い丘陵地が延々と続いています。
町の中は観光客でざわめいていますが、一歩町を出るとのどかな田園風景が広がっています。
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