北イタリアの町 - クレモナ

北イタリア・オペラツァー(その9)

金子忠次

クレモナはヴァイオリンの町です。

名器ストラディヴァリウスのヴァイオリンはこの町で作られました。またバロック音楽の大作曲家であり、オペラの歴史に輝かしい足跡を残したモンテヴェルディもここで生まれています。というわけで、音楽に非常に縁の深いロンバルディアの古都です。
 

今のクレモナは人口8万、ミラノから南東に約80kmの小さな町です。ヴァイオリンは今もこの町で製作されていますが、時間の関係でその工房の見学はできませんでした。

その代わり、いかにもイタリアの古都といった趣のまちを散策して中世の古都の空気を存分に吸ってきました。

中世の面影を残すコムーネ広場 片隅で花市が開かれていました。
 

広場の周囲は、役場、教会のドゥオモ、鐘楼、といった古い建物が並んでおり、今も昔も町の中心です。

左はコムーネ広場に面して建っている塔、トラッツォ。鐘楼です。高さ110m余り、上まで歩いて登りました。

歩いて登るのになぜかお金が要ります。(塔の保存のための資金にするのだそうです) 登りきると、古い街並みが一望のもとに広がっていました。


家々の赤屋根がきれいです。(下)

広場に面して建っている役所の2階がヴァイオリンの名器を陳列した博物館になっています。ストラディヴァリウスとかアマーティ、グァルネり、など名器ばかり20ほどが一つ一つガラスケースの中に陳列されていましたが、素人にはどれも同じように見え、こういうもの―楽器はやはり音を出してもらわないとなあ、と思ったことでした。
 
これはイタリアの町には大抵の町にある教会、ドゥオモ(大聖堂)です。圧倒的な存在感で威風堂々としています。ロマネスク様式とか。他の町のドゥオモに比べて正面のデザインが独特です。

この日は中で何かのセレモニーがあって入ることはできませんでした。

こういう建物は、最初はどれも同じに見えますが、細部を見ると勿論全部違っていて、それぞれが独特の雰囲気があって飽きません。