老々ハリー

今年も、第91回 国展の版画部門でなんとか引っかかりました。
注:美術団体「国画会」が主催する公募展

出展作品
白い草と赤い塀

そのことにつき、毎度のことでホラ話です。

もともと(マー、若いといってもいいくらいのはるか昔から)生活の広がりが貧弱であったあたくしが、この年になって僅かでもどなたかに話したりできるのは、毎日やっていることに尾ひれを付けてナンカ本当らしく捏ね上げることくらいです。

この原稿も(もし、以前のあたくしの話を少しでも覚えている方がおったら)『また、同じことを!2度目か3度目だぞ』となりそうだ。いや、なる。

さて、目の前に各作者ご自慢と思われる作品だけを集めた版画集がある。(当り前のことでありますが)よくできた作品やいっぱい金を払った人の版画は本の最初の方のベストポジションを占め、1件当たりの専有面積もでかい。(以下は、トッテモあたり前のことでありますが)あたくしのヤツなどは『ヨーク見たけれど、気づかなかったナー』というような扱いを受けている。

このことだけ見ると正義・公平・安心・安全・公序良俗に反しておるようで、やっかみの炎 紅蓮のごとく燃えあがるのを制止できないのでありますが、今回のあたくしには作品判定の表には出にくい真実になんとか近づこうとする欲求が心底からふつふつと湧いているので諸氏の煩わしさを知りながらも次にチョットお時間をいただくのであります。

で、上記版画集のイイヤツとタイシタコトナイヤツを(あまり依怙贔屓ないように心掛けながら)ながめると、イヤイヤでも分かってしまうことがある。

上記が作品判定の妥当な基準かどうかは意見が分かれるとしても、あたくしのものはどの点を取っても随分と(かなり・著しく・決定的に)劣るのであります。

作品のデカサなど枝葉末節のことがらのようでありますが、メーターもんとあたくしのセンチもん(昔から、あたくしのもんはセンチもんであったと各位の間では名高かかった?)とでは並べてみると迫力の違いで太刀打ちできない。

実力と金力相応に、あたくしはメーターもある版木や和紙を触ったこともない。

版画を始めて15年弱、年を重ねてもいい物ができない、時には以前の物の方がマシとチャーウ?というのがあたくしの今の有様で、甲羅を経たからといってそれはなんの足しにもならない。

数年前は、もし、あたくしが40歳台とか50歳台の少しは若い時期に手を染めていたらちょっとは見られるようになったのではないかと変なことを考えたのですがこれは幻想でした。

全く不思議なことに・残念なことに技術的な完成度と経過時間とは関係がないのでした。

加え、以前も書いたことですが最重要ポイント:<モチーフ>などという天賦の才による(であろう)ものにはチットモ恵まれていない。具体的には、最近は造幣局の赤レンガ塀などを題材にしているので出る所に出すとすぐに引っ込めざるを得ないはめに陥るのです。

<ここで天の声:レンガ塀ナンカをやらずにそれを壊してグイと突入すればいくらでも掴める金銀財宝なんぞをテーマに試みれば、衆目を集めること間違いないぞ!!><マー、すぐにパクられるだろうが..>

最後に、以前少し書いた国画会の審査の片鱗を更に正確に申し述べます。

作品自体の評価以前に『まず、どんな人間かを評価する』という作者の属性評価がある。

正論だけに偏って、作品がドーのコーのということになると、あたくしには勝ち目がない。あたくしが力を発揮できるのはこの属性だけなのです。

次に、あたくしに味方するこの上ない属性を2つ・・

  1. 77歳のこと

    この年で力のいる木版画をやっているのは異常人物ではないか?これが最後で、再挑戦はおぼつかないだろう!かわいそうだ。なんとか拾ってやる手だてを考えよう。トいう具合になっているはずです。

    また、一部の審査官は仮にOUTにした場合、あたくしのバカ力を持ってすればご自宅とかお体に危険が迫るのではないかと危惧しているに相違ない。

  2. 大阪在住のこと

    入選者数:千葉7名、東京12名、愛知13名で大阪がゼロでいいんか!!大阪は歴史的に文化・芸術の果てる地だということは誰だって知っていることだとしても、知事や市長や住民は恐ろしいことにも「ヤーさんもどき」であることを忘れてはならんぞ。

    大阪からの入選がゼロということが知れ渡ったら、国画会が大弾圧を受けて潰されるのは間違いない。

    まずは、オレの審査委員会副委員代理代行補佐という肩書が明日にも危なくなる。オマエラはおれがこの地位を勝ち取るには人にも言えず、妻子も泣かせたなみなみならぬ努力をしたことを知らんのだ!一人でいいから無理やり大阪から引きずり込め。

このような仕儀で奇妙奇天烈な今回の六本木の結果となったわけであります。 属性評価万歳!!

災難はいつ起こるのか分からない!

今後は意味不明・荒唐無稽なホラ話でご迷惑をかけることがありませんよう、そして結果、皆さまの安寧が乱されることなきよう、心平らかでありますよう!