本題のホラ話に突入します。
国画会という芸術を愛しているその道の芸達者の会がある。会であるから会員のために運営している。もちろんのこと、あたくしは会員でない、どころか会員になりたくてもしてくれない。
参考までに:
部外者が会員の資格を得るには、年1回の国展という展覧会に5回連続して入選しなくってはならない_あたくしのように、3年に1度くらいの輩はモンダイガイでオハナシニモならない
会員になるとどんな事態が出来するか:
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展覧会に、たぶん無条件で展示される
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部外の応募者の審査に当たれ、優越感に浸れる
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出展に当たり出展料が部外者の3倍になる
これを知って、驚いた!! 会員に推薦でもされたら直ぐに断らなくてはならないと固く誓った!!年金生活も長いものでね。
物事を真に深く考察する習慣を身に着けているあたくしは、部外者の出展料やパンフレットの掲載料、展覧会の入場料などは莫大なものになり、それは会員が山分けするのではないかと勘ぐっていたのだがドーモそうではないらしい...
...が詳細は闇の中。闇のおこぼれにあやかりたいものだと思うものの、あたくしの実力ではトテモ。
次に、各位に国展の審査の状況をお知らせしよう。
上の2.のとおり、会員が部外の輩の審査に当たるのですがそれは会員も素人のこと、限界に突き当たって先生に泣きつく。
『センセー、どうしても入選者が1名不足していて、会場の壁の穴ポコが埋まりません』
『お前ら、なんとか考えろ。役目だろう』
『考えましたが、無理です』
『何年も金ばかり払って入選してないヤツはないか?』
『それだったら、いっぱいありすぎます』
『その中で、年も年で多分今年が最後、今後お目にかかりそうもないヤツがあるだロー!』
『センセー、一人ありました』
『誰だ!』
『エー、カとかンとかいう爺さんです』
『絵なんかどうでもいい。それが最後の入選だ!』
こんな具合で、今回は実に久しぶりに必死でつかまっておった蜘蛛の糸がブチ切れることもなんとか避けられ、結果、わが才萩会の各位は安寧な日常を妨げられ騒がされ、なんともいいがたいホラ話を聞かされる仕儀となったのであります。
全く災難はいつ、どこでふりかかるか分からないのですが、上記の内情を知っていただけば今回の災厄の責任はあたくし一人のものではないことがお分かりになって、各位は寛容の心に満たされることでしょう。
これからのあたくしの小さな願い:
なかなか望めないことでしょうが、あたくしの絵を見てくれたどなたかが、極一瞬『あ!』と感じられるようなものを作ることが願いです。
これをもってすれば、門番のパウロがうろたえて天国への道を開いてくれるかも。そしたら、そこから皆さんに通信を差し上げます。それから、寂しくなったらみなさんをお呼びするってのはどうかな?