| 初版が昭和11年に正式に制作・発売された時点では、作詞:西條八十、作曲:古関祐而となっている。ただし、オリジナルは、昭和10年に西公園で開催された産業観光博覧会での、七夕宣伝用のご当地ソングの一般人からの公募によるとの説がある。また、メロディは外国か日本に前からあった曲との説もあるが詳細は不明の由。
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| 題名は、初版は『ミス・仙台』であったが、一時期『仙台小唄』として歌われていた。1歌2名称の珍しい例である。一説によると、戦前の敵性語廃止で、『ミス・仙台』が自然発生的に『仙台小唄』と改称され、その後昭和26年に二葉あき子が再び『ミス・仙台』でレコードを出し、以後『ミス・仙台』に落ち着いた由。戦前戦後に、主として仙台の学生間において『仙台小唄』と呼称され、その余波として筆者もこの歌を『仙台小唄』として記憶している。口伝のためか、歌詞・楽譜は、筆者の記憶と数箇所異なっている。
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| ちなみに、歌詞・メロディとも本歌とは異なる3種類の『仙台小唄』が存在する由。また、別儀の『仙台音頭』も3種類存在する。替え歌として、歌詞は異なるがメロディが同じ流行歌『乙女十九』がある。更に、筆者が在籍した水戸には、これと同じメロディの『水戸小唄』があり、水戸一高OB会では今も愛唱されている。歌詞は、例えば「森の都」→「梅の都」、「広瀬川」→「那珂川」、「青葉城」→「水府城」、「仙台、仙台、なつかしや」→「水戸よ、水戸よ、なつかしや」となっている。
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| 仙台の四季をバックに若き日の恋の思い出を懐かしむ、そういった青春挽歌であるが、モデルは、小松島の高山樗牛瞑想の松に関連するエピソードとして、旧制二高生林次郎(後の文学者高山樗牛)が宮城女学校生永見みち子なる女性へ寄せた片思いであろうとの説もある。
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