今泉泰史

 

小田原生まれの私は、小田原市立第1中学校(現城山中学校)を卒業したのですが、中学を卒業してから半世紀になり、喜寿を記念して第11回同期会を開催することになりました。

機関紙への投稿依頼がありましたので、雑文「故郷小田原と箱根駅伝」を作成した次第です。

箱根駅伝が再開された昭和22年(1947)から、60年余り箱根駅伝を観戦して来た箱根駅伝への思いを、感じ取って頂ければ有り難いなと考えて、才萩会の諸兄にお届けしようと思いました。

この機会に、今後も「箱根駅伝」に、皆さんが関心を持って頂ければ幸いに思います。

また、第1〜第88回(1920〜2012年)の大会記録を、文献やインターネットを利用して、数ヶ月掛けて調査し、「箱根駅伝、クイズ@」と「箱根駅伝、クイズA」を作成しました。

箱根駅伝クイズは、マニアックで、地元のファンでないと判らないかな。少し難し過ぎたかなとも思いますが、興味がある方は、クイズに挑戦して頂けたら嬉しく思いますが、どうかな。


私は、北条早雲の城下町「小田原」で少年時代を過ごし、杜の都「仙台」で学生時代を過ごした後、「名古屋」に就職したので、東海地方在住が50年余になりました。遠く離れた「故郷・小田原」と「箱根駅伝」を思い出して見ました。

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故郷・小田原は、戦国時代は北条早雲の城下町、江戸時代は東海道の宿場町、現代は箱根観光の玄関都市として発展して来ました。東京に近く、気候は温暖な良い所なので、政財界名士や文人にも人気があり、「白秋童謡館」「小田原文学館」があります。

小田原城址公園には、小田原城、お堀の400本の桜、大正天皇が感嘆された「御感の藤」があり、「薪を背負いながら勉強している像」で、全国的に有名な二宮金次郎を祀る「二宮神社」、や母校、本町小学校も近くにありました。

小田原名物は東海道中必携の漢方薬「ういろう」、折り畳み式「小田原提灯」、「梅干」、「箱根細工」、「蒲鉾」、「干物」、等です。 

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「箱根駅伝」は、東京都大手町の読売新聞本社前から、神奈川県箱根町役場前迄の往復約218kmを10区間に別けて、20校の10選手が2日間で競う大学駅伝です。

1912年のストックホルム五輪に出場した日本人五輪選手第1号の金栗四三氏が発案したとされ、関東学連により、第1回大会は大正9年(1920)に4校で開催されたが、第一次世界大戦で5年中断されていたが、終戦後の1947年に再開された。

国道1号線の箱根口に近い本町小学校に通学していた私は、毎年正月の2日午後と3日朝に、応援するようになりました。

オリオン座前の旧小田原中継所のすぐ近くに、親友S君の自転車店があり、その2階から観戦させて貰ったことや、当時はラジオだけでテレビ中継は無かったから、どこが1位なのか、差はどの位かも判らず、期待と不安を持ちながら、まだかまだかと選手の到着を待っていたことや、父の母校の明大が、山登りの名人の岡正康選手を擁して、再開した第23回(1947)と、翌々年の第25回(1949)に優勝した際に、父母と兄弟5人で祝ったことを、懐かしく思い出します。

私の生家は国道1号線のオリオン座前の小田原中継所まで約1km西の、箱根寄りの海側の位置にあったので、3日朝の復路6区の箱根山下りのラストスパートの姿をよく観戦した。

箱根山から1時間余も走って来たとは思えない程の笑顔で疾走する上位選手の姿よりも、サイドカーで伴走する監督から励まされ、フラフラになり泣きながらなんとか襷を繋ごうと、必死に頑張る下位選手の姿に、感動したことを思い出します。

関東学連の大学生が、母校の名誉と誇りとを賭けて競う「箱根駅伝」の応援風景ですが、中継所には、選手が待機し、サポートする学生がきびきびと動き回っていて、緊張感がみななぎっていて、校旗や幟旗が立ち、各校の応援団がエールを送って応援していて楽しかった。

トラック荷台に多数の学生が鈴なりに乗り込んでの応援は迫力があったし、東農大の「大根踊り」、日体大の「エッサツサ踊り」等のユニークな踊りの見物出来て、これもまた楽しかった。
                                      
1987年、日本テレビがサッポロビール協賛でテレビ全国中継を開始しました。テレビ中継は当初から20%を超える視聴率を得ており、近年は25%を越えて、「箱根駅伝」は全国的に知られ、スポーツ中継のトップになったことは、大変嬉しく思っています。 
 
毎年正月の2,3日は、テレビ中継に釘付けで「箱根駅伝」を観戦していますが、小田原―箱根間の第5区は、何処でも家族や学校で行ったことのある所なので懐かしい。

去年は、横浜の実家に帰省した際に、弟夫婦と箱根観光(箱根駅伝の旅)に出掛けた。

車が小田原に入り、生家のあった国道1号線の箱根口を過ぎると、双子山のテレビ中継用アンテナが見えてくる。私は故郷に帰って来たことを感じるここからの景色大好きだ。

現在の小田原中継所(鈴広蒲鉾店)を過ぎて数km走ると、箱根の玄関口の湯本温泉だ。家族で良く出掛けたことを思い出す。塔ノ沢の函嶺洞門を抜けると、箱根の山登りが始まる。

箱根七曲がりに入り、大平台のヘヤピンカーブを過ぎると、老舗の富士屋ホテルの宮の下、急坂をさらに登ると、巨大温泉リゾートの小涌園。小学校の林間学校で行った慶明学園を過ぎて、坂を下ると芦の湯だ。天然のスケートリンクがあり兄弟で来たことを思い出す。

ここから急坂を駆け上がると、874mの最高点だ。芦ノ湖と外輪山の向こうの富士山が見える。 坂を下ると元箱根、芦ノ湖岸の箱根神社の赤鳥居が綺麗だ。少し走り有名な箱根の旧東海道の杉並木を通って箱根関所を過ぎると、ついに箱根町役場(往路ゴール)に到着した。

第88回大会(2012)は、東洋大が往路、復路に大会新記録を出し、10時間51分36秒で完全優勝し、最優秀選手には、箱根山登りで「山の神」と言われる柏原竜二選手が選出されたことや、第89回大会は、前年シード落ちした日体大が復活優勝したこと、第90回大会は、東洋大が、2度目の完全優勝したことなど、皆さんの記憶にも新しいと思います。

富士箱根・国立公園は、伊勢志摩・国立公園に負けない素晴らしい観光地だと思います。箱根駅伝の往路ゴールの箱根町には、「箱根駅伝ミュージアム」(tel.0460−83−7511)がありますので、箱根観光をされる際に寄られると良いと思います。

名物館長から説明を受けて、箱根駅伝の歴史や逸話を知ると、箱根駅伝に対し一層興味が湧いてくると思います。資料を見て、名物館長から箱根駅伝の歴史や逸話を聴くと、より一層興味が湧いて来ると思います。

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クイズにも挑戦ください(下記の文字列をクリックしてください)

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本文の参考資料  日本大学生3大駅伝とは、

(注)、「箱根駅伝」 (東京―箱根間往復、関東学連大学駅伝)とは、

「箱根駅伝」は、1912年のストックホルム五輪に出場した日本人五輪選手第1号の金栗四三氏が発案したとされ、関東学連により、第1回大会は大正9年(1920)に4校で開催されたが、第一次世界大戦で5年中断されたので、第88回大会は平成24年(2012)に開催されている。

東京都大手町から神奈川県箱根町までの、往復約218kmを10区間に別けて、現在は、1月2,3日の2日間で、1区間約20kmを、選手10人で走り、関東学連所属の20校で争われる大学駅伝です。

(注)、「伊勢駅伝」、(全日本大学駅伝)とは、

「全日本大学駅伝」(伊勢駅伝)は、東海学連と朝日新聞社により、昭和45年(1970)に開催され、第43回大会は2011年11月6日に開催された。

名古屋市熱田神宮から、伊勢市伊勢神宮内宮までの約107kmを8区間に別け、1区間、10〜20kmを、1日で走る大学駅伝で、全国各地から選抜された20校で競われる。

(注)、「出雲駅伝」、(全日本大学選抜駅伝)とは、

「出雲駅伝」は、岩国哲人出雲市長の提案と、富士通の協賛により、平成元年(1989)に「出雲くにびきレース」として開催、後に改称、第23回大会は2011年10月開催された。

出雲大社から、出雲ドームまでの約45kmを、選手6人が1区間5〜10kmを、1日で走る大学駅伝で、全国から選抜された25校余で競われ、短距離でスピード駅伝が特徴です。

「箱根駅伝」の博物館、 

箱根駅伝・ミュージアム  tel. 0460−83−7511
〒250-0521、神奈川県足柄下郡箱根町167
2005年3月開館、無休、500円                 
箱根駅伝・ミュージアムは、箱根駅伝の往路ゴール地点にあり、記念碑もある。

箱根駅伝」に関する文献

@、「箱根駅伝、襷の記憶」、 ベースボールマガジン社、 1200円、2008年1月発行
   1920−2007年       津島図書館、011255361

A、「箱根駅伝、激闘の記憶」、ベースボールマガジン社、1400円、2011年12月発行
   1920−2012年       津島図書館、011390085
   箱根駅伝には、多数の文献がありますが、上記の文献が、良く纏まっていると思い
   ます。