宝澤 光紀
遠藤兄と金井兄から東北大学の様子について、才萩会のホームページに寄稿するよう依頼されていましたが、何かと忙しく、失礼しておりました。 とにかく思いついたことを少しずつ報告します。 我々の卒業した工学部応用化学科も幾度かの改組により組織と名前が変わりどうなっているのかよくわからないとの声が聞かれます。 そこで、これまでの化学系学科の大まかな変遷を眺めてみましょう。 |
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まず、我々の在籍した昭和 37 年の応用化学科の学生は工学部(岡部研、前田研、天笠研、徳久研、外島研、村上研、加藤研、山口研)と非水溶液化学研究所(鳥海研、岩崎研、松木研、戸倉研、玉井研)と応用理学教室(油井研、三井研)に配属されました。ただし、山口研と玉井研は研究室ができたばかりであり、岩崎研には配属されなかったようです。 まず、最初は昭和 36 年の化学工学科の新設です。前田-鈴木研究室が母体となり、新たに、梅屋-島田-遠藤研究室、荻野-宮本研究室、大谷-三浦研究室ができ、後に只木-米本研究室、齋藤-新井研究室が加わることになります。一方、昭和 38 年には応用理学教室に会田-板谷研究室が発足しました。ちなみに他の講座の流れとしては、三井-今泉-井上、油井-田中-黒川各研究室となっています。なお、「-」は研究室担当教授の流れを示します。 従って、化学系は応用化学科と化学工学科の二本立てとなったことになります。応用化学科の講座の流れをみますと、岡部-奥脇、天笠-橋本-宮野、徳久-天野-山田、外島-内田、村上-田中-島田-遠藤、加藤-沢谷-四つ柳、山口-小林-正田各研究室となります。 この体制は昭和 62 年まで続きます。 昭和 63 年には応用化学科と化学工学科は改組され、分子化学工学科と生物化学工学科になります。若干の入れ替えはありますが、旧応用化学科は分子化学工学科に旧化学工学科は生物化学工学科に移った形となり、学部はこの体制が現在まで引き継がれています。 このとき、大学院の組織も変わり、応用化学専攻と化学工学専攻は、応用化学専攻、化学工学専攻、材料化学専攻、生物工学専攻の4専攻体制となり、この体制は今も続いています。 平成6年には東北大学は大学院重点化され、主組織は大学院4専攻となり、学部はその下に従属する体制に変わりました。 応用理学教室の変遷についてですが、この教室は、学生の工学基礎の理学を教える目的で昭和 24 年に設置されています。工学部の青葉山移転に伴い、昭和 42 年3月に工学部管理棟が完成し、それまでは関連する学科の建物にばらばらに収容されていた9講座よりなる工学部共通講座群が初めて一つの建物に集合しました。 ちなみに共通講座群は応用理学教室(数学、応用数学、応用力学、無機および物理化学、基礎物理化学、応用有機化学の6講座)と一般工学教室(一般電気工学、工業力学、一般機械工学の3講座)の2教室編成となっていました。 その後、見直しの結果、昭和 56
年には、数物系6講座の基礎工学教室と化学系3講座の基礎工業化学教室の2教室体制に改組されました。その後,情報科学研究科の発足と大学院重点化の動きに呼応し、基礎工学教室は情報科学研究科へ、基礎工業化学教室は工学系研究科に移ることになりました。 |
平成5年3月、昭和 24 年に工学部に設置された応用理学教室を前身とする基礎工業化学教室は大学院重点化とともに、工学研究科化学系専攻に移り、その 44 年の幕を閉じることになったわけです。
次に非水溶液化学研究所の講座の流れですが、玉井-富田、松木-宇田-袖岡、戸倉-松田-宮下、鳥海-藤縄-宝沢、岩崎-高橋-横山各研究室となっております。昭和 49 年には絹巻研の後に石井-佐藤研究室ができ、工学系となりました。昭和 52 年に新設講座として西山研が誕生し、石炭研究の新設講座として昭和 60 年に飯野研が誕生しております。結局、このときには8講座になっていました。
平成3年4月に非水研は反応化学研究所に改組され、このとき新たに2講座が工学系に増え、栗原研、戒能研が誕生して 10 研究室となりました。
さらに平成 13 年4月には、反応研は、素材研、科研と合併して多元物質科学研究所となっております。
また、平成 10 年からは、旧素材研の2講座が応用化学専攻になり、結局工学部化学系の協力講座の多元研教授数は現在 12 名となっております。
さて、学科の方の新設がどうなったかですが、まず、昭和 63 年に学生数の増加に対して、教授数の増加が認められ、野沢-末永研究室、小沢-(現在空席)研究室が誕生しました。平成元年には、生物化学工学科に西野研究室、平成4年に野沢研究室、平成7年に熊谷研究室が誕生しました。昭和 57 年には学科共通施設として燃焼限界実験施設が誕生し、その後超臨界溶媒工学研究センターに平成4年に改組され、猪俣研究室ができております。現在講座数は工学部で 22 になっており、多元研の 12 と合わせると34 となります。
結局、我々のとき 60 名だった化学系の学生は 130 名となり、配属される講座数(教授ポスト)は 34 となっております。
昨年から、環境系の研究科に準ずる組織を工学部が中心となって計画し、化学系も関与する流れですのでまだ組織の変化は続く見込みです。平成 15 年には独立行政法人化の動きが具体化することになっていますので、大学間の併合といった動きもでてくることが予想されます。
以上、学科、研究室のこれまでの動きを説明しましたが、私の思い違いもあると思います。気がついたら修正いたします。
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