船田壽男
7月中旬、韓国人によって書かれた「親日派のための弁明」という本が、翻訳され出版された。早速購入して読んだ。3大新聞(読売、朝日、毎日)を読んでいる人には必読の書である。
以下は、私が、この本が出版される前に発信した「メール」です。
韓国における報道の自由〈平成14年7月6日〉 |
今年二月、韓国で、「親日派のための弁明」と題する本が出版された。この本の内容は、「日本の統治によって、朝鮮は近代化の道を歩み始める事ができた」というもので、これまでの韓国の歴史学者の主張である「韓国に近代化の道はあったにもかかわらず、日本の侵略と収奪のために、その歴史はゆがめられた」という歴史観を否定するものである。
著者は、38歳の韓国人作家・金完燮(キム・ワンソプ)氏で、韓国語で書かれた初めてとも言える日本の朝鮮半島統治時代を評価する書である。
出版されるや、韓国の報道機関は完全に黙殺し、政府の検閲機関である「刊行物倫理委員会」はこの本を有害図書に指定した。有害図書というのは、通常はポルノ本でポリ袋に入れられ、一般国民には、ほとんど目にはいらないという。
この本が、7月中旬に日本で翻訳出版されるのにあわせて、著者が来日する予定であったが、突然、韓国当局によって出国禁止措置がとられた。
これが、現在の韓国における言論の自由(弾圧)の状況であり、韓国の現代史においては、「反日」が国の求心力を高める武器として為政者に利用されてきたことを示している。
金氏は、インタビューで、日本の統治を実際に体験している人々には、『「反日」一色の風潮に疑問を感じている人も多いはず、韓国の将来を展望したときに、「反日」は愚かな選択だ』と述べているという。
以上7月6日付け産経新聞より概要を記した。
3大新聞の韓国情報(平成14年7月8日) |
上記の若手韓国人作家、金完燮氏の本「親日派のための弁明」に対する、韓国当局の弾圧については、日本の3大新聞(読売、朝日、毎日)は、7月7日現在、未だ報道していないようだ。
これは、言論の自由に関することであり、新聞にとって最も重要なことである。隣国のことであるから、どうでもよいというのであろうか?このような報道こそ、その国を理解するのに、欠くことのできない事柄ではないか。本の内容が日本に関することであるから、なおさらである。
この報道がいつなされるか、その時期・内容によって、新聞の言論の自由に対する態度が、真実か否か判定できる。
私は、上記3大新聞は、普段は読んでいないので、掲載されたら、是非教えて欲しい。図書館に行けば、古い新聞が置いてあるので、載った時は、見に行くつもりである。
もし、このまま、全く報道しないで、半年後に報道するというようなことにでもなれば、それは韓国当局及び韓国の報道機関と全く同じ態度“”黙殺””であり、これまでの韓国に関する報道は、すべておかしかったと疑われても仕方がない。
この本の発売が今年2月であり、韓国当局により有害図書に指定され、その内容については、既に雑誌{正論}6月号(5月連休前発売)に掲載されそして最近著者が出国禁止になったのであるから、その情報は、熟知している筈である。従って、何らの意図があって、黙殺していることは容易に推測できる。韓国関係筋による圧力に屈していると想像することもできる。
これは、3大新聞のこれまでの韓国情報を正確に読み解くためにも見逃す事のできない事件であると思う。