東北大に関わった人、あるいは仙台に住んだことのある人なら大抵知って居るであろう歌、「古い顔」をホームページ、トップページのバック・グラウンド・ミュージックとして
載せてみた。
アップロードしたのは、7月19日。気が付いた人から感想文が寄せられるであろうと期待して何も案内しなかった。たが、8月に入っても何の反応もなく、いささか拍子抜けしていた。
才萩会夏の我慢比べゴルフ大会(8月3日)の帰りの電車の中で、阿部君、久保田君に話したら、全然気が付かなかったという。
パソコン付属のスピーカーは元々音も大きくないし、アナログモデムだと、インターネット接続のとき雑音に近い接続通信音を発するので、皆スピーカー音量を小さくしている
ではないかと考えた。
そこで、不本意ながら、改めて、「語っぺし」に、「気が付きませんか...BGM」と題して、案内を出した。どうやら、聴いてくれる人が出てきたが、未だ、トップページを開けば自動的に音楽がなり出すことを知らない人もいるようだ。自動的に鳴るから、BGMと呼んでいるのだが...
もし、トップページを開いても音が出ないようでしたら、パソコン画面の下部帯状部の右側にあるスピーカーのアイコンをクリックして音量を大きくしてみて下さい。
ところで、この「古い顔」を聞いて、自分が覚えているもの、歌っているものと違うと感じられる向きが多いのではないかと思う。小生自身、この楽譜を見たときはそう思った。
「古い顔」は作詞者も、作曲者もはっきり分かっていることをご存じだろうか。つまり原曲が存在するのである。拙文で経緯をご紹介するより、この曲を補修・編曲した中田喜直氏の文を紹介する。
「古い顔」について
昨年の夏,私はこの曲をはじめてきいた。歌ったのは,仙台のヤマハ音楽教室の指導講師をしている岡崎光治氏で,私は強い印象をうけ,非常にいい歌だと思ったので楽譜を書いてもらった。
当時作曲者不詳でメロディと歌詞だけであった。
ところで,この曲は,原曲がいろいろな人に歌われている間に少しずつ変ってきて,現在は人によってメロディが少し違っており,リズムに附点がついてなかったり,途中でテンポの変り具合もいろいろで,歌詞も少し違っているものがある。
そこで今度,一般に歌われていたものと,作曲者の原曲とをてらし合せ,原曲の感じを,できるだけ崩さずに,一般の人が歌えるような形にして,それに,伴奏譜をつけ,男声四重唱用にも編曲したわけである。
なおこの曲が,このような楽譜になり,レコードにも入れられるようになったことについては,作曲者が現在,ミュンへンに留学中なので,その間にあって連絡その他,いろいろ世話をやいて下さった,作曲者の友人で,当時の原曲をよく知っておられた,報知新聞の八巻明彦氏はじめ,作曲者の実弟松島英樹氏,キングレコードの長田暁二氏,前記の岡崎,小島氏等の方々の力ぞえがあったことを最後に特に附託したいと思います。
1972年
秋 中田喜直
れっきとした作曲者が居ること、昭和17年頃の作曲であること、1972年(昭和37年)当時作曲者がドイツ留学中だったとのことなど意外に思うのではないだろうか。ついでに作曲者の略歴も紹介しよう。
作曲者松島道也氏略歴
昭和24年 東北大学法文学部美学料率業
昭和31年 同校大学院修了
現 在 女子美術大学講師
現職のまま西ドイツミュンへン大学留学中
注:ここで現在というのは1972年
昭和24年大学卒業当時22才とすれば、今は74才になられている勘定になる。
上記の中田喜直氏によれば、歌詞も原曲とはかなり違って伝わっているらしい。そこで、作詞者が誰で、元来どういう詩であるかも併せてご紹介する。
古 い 顔
チャールス ラム原詩
西條八十訳詞
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子供の頃に 遊んでた
学生時代に つき合った
いろんな友が いたけれど
みんなみんな 今はない
ああ なつかしい 古い顔
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上の画像をくクリックすれば、音楽がなります |
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恋もしたっけ 素晴らしい
美人だっけが あのひとも
今じゃ会えない人の妻
みんなみんな 今はない
ああ なつかしい 古い顔
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- 夜おそくまで 坐り込み
わらって飲んだものだった
あの仲良しの 飲み仲間
みんなみんな 今はない
ああ なつかしい 古い顔
心を知った 友達は
兄弟よりも なつかしい
おんなじ家に なぜ君は
生れて釆ては くれなんだ
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そうすりゃ今でも そばにいて
亡くなった友 去った友
うばわれた友 いろいろな
昔の友を 語ろうに
みんなみんな 今はない
ああ なつかしい 古い顔
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チャールズ ラムの原詩も意外だが、西條八十の訳詞というのもビックリではないだろうか。
それでは、曲もいろいろ変わって伝わっている中で、中田喜直氏が、「原曲の感じを,できるだけ崩さずに,一般の人が歌えるような形にして」編曲した楽譜をお見せしよう(左の「楽譜」をクリックしてください)。
最後に、何故、このようなことを知っているか? 学生時代初めてこの歌を聴いたときは、やはり、良い曲だなぁと思った。しかし、歌う人ごとに、歌詞も曲も少しずつ違うのに驚き、きちんとした楽譜はない
ものかと思っていた。
大学を卒業し就職して間もないころ、たまたま、東京の楽器店で楽譜を見つけた。この楽譜に上で紹介したことが書いてあった。
楽譜の発行年月日は昭和37年12月1日。楽譜の値段は50円となっている。
因みに、ホームページへ音楽として載せる形にしてくれたのは、ボランティア仲間のご婦人である。
どうですか、皆さん、いろんな編曲があるようですが、原曲に最も近いと思われるこの譜面で歌われては...
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