遠藤興輝
6月20日から10日間ほど、スペインに旅行しました。元の会社の同期連中とかみさん連れで総勢19人でのパック旅行です。今回の旅行で感じたことを日記から拾ってご紹介します。 もっと詳しい旅行記が、遠藤の個人ホームページにあります。宜しかったら寄ってみてください。http://www.asahi-net.or.jp/~gt9o-endu/okiteru.htm
マドリードに着いて、まず驚いたことは、日の暮れるのが遅いこと。夕食のレストランは、8時半にならないと店を開かない。そのレストランを10時に出ても、まだ外は薄明かり。東京の夏の6時頃という感じ。サマータイムもここまでやると効果も絶大ではないかと思う。日本でこれをやると、景気が悪化するだろうか、上昇するだろうか。
どうしてこれほどの差が東京とあるのか。そもそも、スペインは、太陽時計よりも1時間常に進めている。その上に夏時間をこの時期採る。これだけで、東京とは太陽時計基準で2時間の差が出る。それでも、東京の午後8時はもう暗い。この差は、東京が、明石よりも東にあること、マドリードはロンドンよりも少し西にあること、そして、マドリードの方が、東京よりも緯度が高いことで説明できそうだ。
次に驚いたのは温度が恐ろしく高いこと。マドリードは道路の所々に、時刻と温度の表示がある。なんと、温度45度〜47度表示があちこち出ている。しかし、湿度が低いから、真夏の日本よりは過ごしやすい。特に日陰に入った時の涼しさは格別だ。スペインの住居がアラブのそれと同じくパティオなる中庭を持っている理由がここにあると思う。それにしてもすごい温度。
スペイン人が、シエスタと称して、真っ昼間3時間くらい昼寝の時間を取るのが分かる気がする。また、昼寝をするが故に、活動時間である昼の時間を長くするため、太陽時計よりも進めた時計で生活しているのだろう。
マドリードでは、プラド美術館に行った。有名な「裸のマハ」は、ガイドの話では、着衣のマハのポーズが自然なのに対し、裸の方は不自然で、首を取って付けた感があると指摘する人がいるとか。なるほど、そんな気もする。ゴヤが口説いてモデルを裸にさせたと思っていたが、この話が本当とすると、想像で描いたと言うことか。
マドリードから、コルドバまでスペインの新幹線にAVEに乗る。意外なほどの静かな走行。日本の新幹線2階席のような乗り心地。ガイドの話では、当初、スペイン政府は、日本の新幹線技術を導入しようとしたらしい。それが、フランスとドイツの、EUメンバーでありながら、EU外から技術を買うのかという恫喝で、ドイツ技術の採用となったとのこと。ともあれ、ドイツの技術も立派なものだと感心する。
コルドバのメスキータコルドバでは、後ウマイヤ朝のモスクを改造した大聖堂を見学。これは見物だった。当時のモスクの構造がかなり残っている。大聖堂に改造することで現代まで、痛まずに残ったのかも知れぬが、醜悪に改造したと思えてくる。アラビア建築のシンプルさはゴシックとかバロックとかの様式をいかにもけばけばしく嫌みなものに感じさせる。
かの有名なガスパーチョを食す。アンダルシア地方の代表的スープだとのことで、友人の談では世界3大スープの一つ。残る二つは、ボルシチとフカヒレだとのこと。トマトが主体のちょっと酸味の利いた冷スープだ。この暑い陽気にはぴったりのさわやかなスープだと思う。
今回のスペイン旅行で残念だったのは、自由時間が殆ど無かったこと。もともとは、バルセロナで自由時間があり、各自が好きに行動できる予定であったが、バルセロナも大都会、最近は旅行者を狙った荒っぽい強盗事件が多いと言うことで、自由時間を止めオプショナルツアーでの観光となった。
世界遺産が一番多い国と言われるほど、見所の多いスペインだが、全てが団体行動で、バスで移動し、日本人ガイドの説明を聞き、「はい次へ」 では、一般市民と接する機会はまるで無い。
海外旅行では、英語か片言の現地語で、市民と接し会話をすることをひとつの楽しみにしている。これがないのでは、旅行の面白さが半減する。かてて加えて、朝、昼、晩全て同じ団体での食事というのでは、外国に来た気分がしない。治安が極めて悪くなっている現状では、やむを得ないのだろう。それを補ってあまりある見所だったと言うべきか。
ミハスの街並みそんな中で、セビリヤから、グラナダへの途中立ち寄った、ロンダとミハスの街はいかにもスペインに来たという感じの街であった。僅かな時間自由に散策できたのがせめてもの救いだった。