遠藤興輝
通信教育の教科書に面白い解説があった。
ものの並べ方、例えば、A、B、Cを言う三つの並べ方は、ABC、ACB、BAC、BCA、CAB、CBAと6通りあるが、一般的に、並べ方の数は、並べるものの数の階乗となる(この例では、ABCの3つ故、3の階乗(3!)=3x2x1=6)。
これは高校の数学で習った順列といわれるものだ。
いわゆるトランプ(エースからキングまでの13枚4組=52枚)の場合、その並べ方は、52の階乗(52!)=52x51x50x・・・x3x2x1ということになる。
この数は、ちょっと信じられないくらい大きな数だという。巨大な数を良く天文学的数字と言うが、52の階乗は、いわゆる天文学的数字より遙かに大きいというのである。
52の階乗は次のような数字になるらしい(パソコン
の表計算ソフトで、52!を計算しても、下記のような有効数字の桁は得られない)。
この数字の大きさを実感するのに、地球を小さな砂粒で埋め尽くすことを考える。
地球は、ほぼ半径6400kmの球体でその体積は、
4π・64003/3=1x1012立方キロ≒1x1027立方センチ
となる
仮にこの地球を、10万粒(=105)で1立方センチとなる砂粒で埋め尽くすとすると、地球を埋め尽くした砂粒の数は、1027x105=1032。
上記のトランプの札の並べ方の数、8x1067に比べ、遙かに小さい。
トランプの札の並べ方の数、8x1067は、1032の1032倍、つまり砂粒で埋め尽くされた地球をその砂粒の数だけ集めたときの全ての砂粒数よりも、未だ、8x103
=8000倍も大きい!
52の階乗は上記の通り68桁の有限な数字ではある。しかし、巨大な有限であり、いわゆる天文学的数字より遙かに大きい!
何と言う凄まじい数値であろうか!順列を習った高校時代、こんなこと思いもつかなかった。大変驚くと同時に、ある種の感動を覚えた。