鮎川宣博
才萩会の皆さん
あけましておめでとうございます。
昨年末、さる事情で急遽帰国したためご挨拶が遅れてしまいました、と1月始めに書いたのですが、諸々の事情が重なってついに2月となりました。旧正月と思って下さい。
1月6日にChardon(シャードン)に戻ってきました。日本では比較的暖かかったのですが、Clevelandに着いてみたら雪の中。今朝も気温が−6°Cで、日中もマイナスの世界です(1/8)。これからもっと寒くなり、−20°C位までは下がります。この位まで下がると顔がピリピリしますが、アメリカでは外を歩き廻ることが殆どなく、Door to Doorを車での移動ですからあまり寒さを感じることはありません。家の中は年中空調をして20〜22°Cに保っていますので、パンツに半袖でOKです。
昨年は公私共に色々なことがありました。
大統領選挙のゴタゴタが尾を引く中、景気の後退で世の中が暗くなり、どのようにして利益を確保していくのかが大きな問題でした。幸い私の担当している日本の自動車メーカーの業績は好調だったので、アメリカ人の中に一人存在する日本人としては、社内的には大きな顔をしておれました。
私の仕事は、Cr6+を含む防錆用表面処理剤「DACROMET」を販売していたので、世界的な環境保護の流れに沿って、これをNon-Cr Versionに切り替えることが最大のテーマになりました。現在その商品「GEOMET」なるものを販売し始めたところです。
5月には、娘の結婚式が東京であり、一時帰国。9月にはあのテロ事件で、先にお知らせしたようなとんでもないトバッチリを受けました。そして年末の不幸。でも、今年夏には小生もGrandpaになれそうだという朗報もあり、人生の山谷をイッショクタに背負い込んだ1年でした。
その間、来客多数。車で3時間半で行けるNiagara Fallsには、3回案内。テロ事件でカナダに渡るのが難しい10月には初めてアメリカ滝に行きましたが、これもなかなか良いものでした。
夏には、Edmonton在住の旧友を訊ね、Canadian Rocky Mountainsを数日間散策。ずっと快晴に恵まれ、JasperからBanffまで久し振りに山を満喫しました。Calgaryの東約100KmのDrumhellerにあるRoyal Tyrrell Museum of Paleontologyは、世界最大の化石博物館。夥しい数の巨大な化石恐竜を展示してあります。近くに行く方は、是非寄ってみて下さい。
また、毎年7月初めから9月始めの毎週末、Cleveland OrchestraのSummer Blossom Festivalが車で1時間ほど南に行った山の中で行われます。いつも星空のもと、弁当にワインやビールを飲んで芝生の上に寝っ転がって妙なる調べを堪能しています。
9月からは、いよいよCleveland Orchestraの本格活動開始です。大改装した本拠地Severance Hallは、歴史の重みを湛えた重厚な雰囲気で、音響効果も素晴らしい。Cleveland Orchestraは、非常にレベルの高い交響楽団でそのアンサンブルは世界最高水準と言われています。先日共演した五島みどりのヴァイオリンは、素晴らしかった。Christmas Concertも荘厳でまた楽しく、毎年堪能させてくれます。
スポーツは、MLBのCleveland Indians。8月初めにSeattle Marinersとの試合を見に行きましたが、ICHIROとDAIMAJINの活躍でSeattleの勝。Clevelandのファンとしては複雑な試合でした。NFLは、Brawns。一昨年からClevelandに再び戻ってきましたが、まだ弱い。7万人入る巨大なスタジアムを建設したが、年8回くらいのホームゲームで採算は取れるのかな?でも今年はかなり勝てるようになりました。アメリカ人はFoot Ballには熱狂します。バスケットとアイスホッケーもありますが、これもかなり弱い。
9月末から10月末にかけては、何処へ行っても黄葉また紅葉です。こちらのはあまり赤くなく、まさに“黄”葉ですが、兎に角広大な地域が黄、橙、赤に染まり、その景色は実に美しく雄大です。Chardonもその時期は八甲田の山中にあるかのごときです。
11月のThanksgivingは、春のEaster、年末のChristmasと共にアメリカ人にとっての3大休暇の一つです。去年はこの時期にFloridaの先っポに行き、Keywest、Miami、Everglades National Parkなどを楽しんできました。KeywestといえばHemingwayです。猫の子孫がまだ400匹ほど残っており、ベッドで寝ていました。シャンペンを飲みながらのヨットでのSunset Cruiseも最高。Evergladesはマングローブの繁る広大な湿地帯でアリゲーターやペリカン、フラミンゴ等が群生している。四国より広い面積でしょう。Miami BeachやFlorida Keysで久しぶりに3回ほど泳ぎました。
しかし、悲しいかな11月には雪も降り、半ば過ぎにはゴルフ場もクローズ。翌年の3月末までクラブは封印です。
今年は異常に暖かく、豪雪地帯で有名なChardonの雪もすっかり融けてしまい、冒頭の予想が狂ってしまったのですが、また昨晩積もって一面の雪景色です。零下の世界を楽しんでいます。
次は何とか写真集で皆さんに楽しんで頂こうと思っています。
NOBU AYUKAWA in CHARDON / Feb.11, 2002