新型コロナウイルス騒動は長期戦のようですね。
ウイルスについては、医学的あるいは生化学的な説明が多々なされていますが、視点を変えて工学的に説明したらどうなるかと思い、ウイルスの一連の動きの物質収支(マテバラ)を考察してみました。
実際にはウイルスのマテバラは取れませんが、概念として説明します。
前提として、系は「宿主(ヒト)の1個体の内側」とし、その中でのウイルスの増減を考えました。
- 宿主へのウイルスの侵入
- 宿主の中でのウイルスの増加
- 宿主の中でのウイルスの減少
- 宿主の免疫で潰される
- 薬剤で潰される。
- 一部は、手指経由、あるいは呼気(微小粒子)に乗って、あるいは唾、排泄物と共に、宿主(系)の外へ(周辺物質の汚染、あるいは直接他の宿主へ移動)。
- 体内環境不適で不活性化。
- ケース建てでの説明
- 宿主が生体であって、かつ
- 宿主内にウイルスが存在している場合
(すなわち、B量-C量>0)
→宿主は感染・発症の状態。 新型コロナウイルスの場合、宿主は風邪症状または肺炎に。免疫が暴走した場合は、サイトカインストームに。 - 宿主内にウイルスが存在しなくなった場合
(すなわち、B量-C量=0)
→宿主は健常体へ(治癒)。 - 宿主が死亡の場合
一般的に、ウイルスは、入りやすい部位の細胞(粘膜、傷口等)に付着し、一部は血流に乗って全身を回り、適所の棲家を見出してその細胞に侵入(感染)する(例:帯状疱疹は神経節細胞に)。
新コロナウイルスは、手指から口鼻経由、あるいは呼気(微小呼気粒子)に乗って、上気道もしくは肺胞へ。
棲家に静かに潜んでいるものもいるが、棲家を増産工場にして増殖(自己複製)する。
その後、細胞を破って細胞外へ出、新たな棲家を探す。
一言でいえば、宿主が死ねばウイルスも死ぬ。が、ヒトの死は、法的または医学的には心臓死(または脳死)の瞬間であるが、ウイルスにとって宿主の死は、心臓死(または脳死)の宣告からウイルスが活動できなくなる時点までの期間を含む。
仏教には、死を九つの段階に分けて表現する「九相図」なるものがあるが、ウイルスにとっては、九相図の8番目の「骨相」(骨だけになる)または9番目の「焼相」(灰だけになる)までの期間、宿主は“生体”であって、この間、ウイルスは活動して外部に飛散し、他の宿主(ヒト以外の生物種を含む)への感染が持続する。
故に、死体宿主の、社会からの隔離(被覆、埋葬、火葬)が必要になる。(注:ウイルスは細菌と異なり、生体宿主が必要で、無機物質上では長くても1週間程度で死滅する。)
<補足>
ウイルスの死には、㋐物理的に破壊されることの他に、㋑不活性化=増殖力を失った時がある。
不活性化の例であるが、ウイルスは別途 「情報」を持つ物体と言われる。その「情報」は、殻(カプシド)の中のDNAまたはRNAが、ある一定の立体構造(configuration)を保持していることで発現され、その立体構造が何らかの要因(機械的力、熱、免疫の攻撃等)で保持できなくなった時、ウイルスは「情報」を失ったと言う。
すなわち、不活性化であり、㋐の破壊とは別のウイルスの死(=㋑)である。
以上